2015年 T.polyphyllum 栽培

2015/04 04/28 山野草コーナーでポリフィラムたちが発芽しているのを確認.4本発芽,どれも2008年に種まきして出来たイモ,もしくはそのイモから派生して出来たものだと思われるが,それぞれ1〜4号と名付けておく.

いつも春に発芽してくれても梅雨時やその後に干からびてしまう.それなら常に地上部に出ている部分を少なくすればどうなるだろう?と思い,囲い実験実施.

まずは1号.黒ポリポットで周囲を覆い山野草の土を入れて茎を隠れるようにした.その後,ポリポットを取り去り周囲を石垣にして地上部を少なくしてみた.なんだか物々しい雰囲気に…(^^;

写真:1号 黒ポットから石垣囲いへ(左下の葉はレウィシア,右側の葉はチシマキンバイ)
 

もう1本,名札近くに出てきたものも山野草の土で埋めておいた.これは3号.

写真:3号 ひん曲がって出ている茎を隠す
 

写真:その他の発芽(2号)


04/30 一番成長が良く茎が長く伸びていた2号を日除け目的の板囲いにし,ここにも山野草の土を入れた.さらに1号の近くで発芽していた4号にはポットをかぶせ,鉢底穴から芽を出してこれも山野草の土をかけておいた.

写真:板囲いにした2号
  

写真:3号,ポット囲いにした4号
 
2015/05 05/02 その後の様子.4号は完全に芽が埋もれて地上部には何も見えない状態.

写真:1,2,3,4号
   

05/05 その後の様子.特に変化無し.1号の左横に植えられていたレウィシアが開花.

写真:1,2,3号,レウィシア開花
   

05/08 その後の様子.ポット囲いの4号の安否が気がかりで少し土を除けて無事を確認.

写真:1,2,3,4号
   

05/10 その後の様子.4号は安否確認後土を被せたのでまだ地上部は無し.周囲の植物たちがグッと成長する季節.3号の後ろに見えている葉はウッドアネモネの実生苗.1号の右後ろと4号の鉢下に見えているのはチシマキンバイの葉.

写真:1,2,3,4号
   

05/31 5/11以降大阪に戻っていたので途中経過は不明.5/31再び蓼科入り.不在中の気温は最低11度.最高29度.5月は真夏並の暑さだった.想定外の暑さにポリフィラムは苦戦.

庭の様子を見るとチシマキンバイが開花中.1号はちょうど左側,その陰になりながら無事.鉢囲いをしていた4号はチシマキンバイの右側だったが鉢を取っても気配無しで消えてしまった.

写真:チシマキンバイ,1号,4号
  

板囲いの2号は茎が干からびてダメになっていた.3号は銅葉ディルの葉陰で無事.

写真:2,3号周囲と3号アップ
  

結果として,人為的に日陰を作った2号(板囲い),4号(鉢囲い)はダメになっていたことになる.風通しが悪くて蒸れてしまったのだろう.また葉陰で成長している1号,3号はいずれも草丈が短く地上部は10〜15cmほど.茎が20cm以上に伸びている板囲いの2号については,日射しが強すぎたか,異様な暑さで温度が高すぎたのかもしれない.
常に地上部が10cmくらいになるよう土を増していったり,日除けをしたりしていったらどうなっただろうか?
2015/06 06/01 6月がスタート.朝の気温は14度.ポリフィラムは1号と3号だけ生き残った.これからどんどん気温が上がる.どうなるだろうか.

写真:1,3号
 

06/20 6月も下旬に突入.朝の気温は12度前後.ここに来て1号は干からびてしまった.残るは3号のみ.

写真:干からびた1号
 

写真:葉陰でサバイバルの3号
 
2015/07 07/05 6/21に大阪に戻り,7/4に蓼科入りした際には3号も干からびて消えていた.不在時の気温は最低11度,最高25度.5月の方が気温が高かったが,梅雨で湿度も高い分,ポリフィラムにはストレスだったことだろう.

ここでポリフィラムのイモを掘ってみることにした.掘ったのはチシマキンバイの横の1号(石囲い)と一番成長の良かった2号(板囲い).

まずは1号.長い茎をたどって慎重にイモに近づく.掘るとチビイモが出来ていた.大と小,くっついているものは後で分離,合計3個のイモが採取できた.

写真:1号:掘った時の様子
 

写真:掘ったイモ:大1個と小2個,茎が長いのが分かる
 

そして2号.成長が良かったのはイモが大きかったからと分かった.

写真:2号:掘った時の様子
  

掘ったイモを並べてみた.どれも2008年に種まきからスタートしたもの.2号は長さが5cmほどある.1号は1つのイモが大きくならず複数のイモでリスク分散,サバイバルする方針だったみたい.1号も2号も深さは20cmほどの場所.2号はすぐ後ろに大きな石があり,西日は遮られる.1号はそれに比べたらサンサンと日が当たる.

数十センチほどしか離れていない場所で,生き残りにかけて肥大戦略と分身戦略,異なる方針をとったのが面白い.肥大した方が環境が良かった…とすれば,何がそうさせたのだろう?

石の陰で涼しかったとすれば気温か.すぐ横にチシマキンバイが居た2号の場合,根の争いで分身を作る作戦に出たのか?
本当のところをイモに聞いてみたい.

写真:掘ったイモ


掘ったイモたちは2手に分けてそれぞれロングポリポットに山野草の土を入れて保存.

写真:ポットで保存(1号)


07/24 どうも今の山野草コーナー(南西:遮るもの無し)は日射しが強すぎてポリフィラムがすぐダメになってしまう.そこで別の場所(南東:樹木の陰になる)にあらたに山野草コーナーを作ることにした.隣家との境界からやや下がる斜面地にセッセと穴を掘り,山野草の土4袋ほど投入.中に深さ30cmほどのポットを埋めた.ポットの下部には石を敷いて水はけ確保.

写真:あらたな山野草コーナー作成
 
2015/08  08/04 7/26に大阪に戻り,8/2に蓼科入り.不在時の最高気温は29度,最低は17度.1号は黒ポリポットに,2号は大きな鉢の方に埋めていたのを掘り返してイモの具合を見ると,2号が発芽しているのを発見.もうこんな時期から芽が動くのか?とビックリ.

このイモは晩秋に大阪に連れ帰り冬越ししてみようと思っていたので,移動を考えて黒ポリポットへ埋めておいた.

写真:イモ達の様子:発芽した2号(真ん中)と黒ポリポットに埋め戻す前の様子
 

写真:2号のアップ