ナスタチウム品種別一覧


1995年からナスタチウム栽培を初めて,種々の品種を扱ってきました.ここはその総まとめのページです.品種による大まかな特徴をつかんで頂けたら幸いです.とは言うものの,品種不明のものを特定するのは至難の業です.異なる品種でも,まるでそっくりさんが現れる事もあるからです.そして,同じ性質を持っているように思われる品種でも,種苗メーカーにより品種名が違ったりする事もあります.さらに,同一品種でも自家採種した場合は交雑(ある品種と別の品種が受粉すること.そして結果的に「あいのこ」が出来る)の可能性があります.特に狭いベランダで数多くの品種を栽培している我が家のような場合には,その可能性が大です.という事で,品種を明確にして消費者に売る立場の業者さんの場合はともかく,個人の趣味で栽培する分にはあまり「品種」「品種」と肩に力を入れすぎずに,気楽に楽しみたいと思うようになりました.

そして,毎年アレコレ新品種が出て来て,従来の分類法ではどれに分類して良いのか不明なものもあるので,結局年代別に分類する事にしました.2002年以前に出回っていた品種とそれ以降の年に出た品種(初めて栽培した品種も含む)に分けています.


【2001年度以前に出回っていた&栽培した品種】

●ストロベリー系(T&M)とサカタのピーチメルバ(サカタのピーチメルバ追加;98/04/26)
●ホワリーバード系(09/01/26追加,ホワリーバード・チェリーローズ,ホワリーバード・タンジェリンを09/01/26追加))
●アラスカ系
●チップトップ系 (アプリコットの写真を追加;98/04/26)
●サーモン・ベビー
●ピンクナスタNo.5
●エンプレス・オブ・インディア (97/06/20追加)
●ジュエル系 (98/04/26写真を追加,アタリヤ・ジュエル09/01/26追加)
●ジュエル・オブ・アフリカ (97/06/20追加)
●チェリー・ローズ・ジュエル (98/04/26追加)
●ビジョー・ナイネ (97/06/20追加)
●ムーンライト (98/04/26写真を追加)
●ヘルマン・グラショフ (97/06/29追加)
●スピット・ファイア (98/04/26追加)
●トム・サム系 (98/06/03追加,09/01/26追加)
●ベスヴィアス (98/04/26追加)
●ゴールデン・キング(98/06/03追加)
●キング・セオドア

写真を提供して下さったぴぐもさん,涼哲さん,ありがとうございました.

【2002年度に新しく出回った品種・初めて栽培した品種】

●ブラック・ジャック
●トール・ミックス(Aviflora)
●クロテッド・クリーム
●モザイク・オレンジ
●モザイク・フレーム
●ストロベリー&クリーム(Plants of Distinction)
●シェリー・トリフル
●チェリー・クランブル
●マホガニー・ジュエル
●中国産・ナスタチウム

【2003年度に新しく出回った品種・初めて栽培した品種】

●ミルクメイド
●インディアン・チーフ

【2007年度に初めて栽培した品種】
●セント・クレメンツ(St.Clements)(09/01/31追加)

【2008年度に初めて栽培した品種】
●デイ・グロウ・ミックス(Day Grow Mix)(09/01/26追加)

●ストロベリー系 と サカタ・ピーチメルバ
発芽したての頃から葉の回り,および茎が赤っぽい色をしています.葉は濃く深い緑色.花色は淡いクリーム色,中央部に赤い斑があるのが特徴です.距あり.
「ストロベリー&クリーム」および「ストロベリー・アイス」はT&Mの品種名です.この2種の違いは,「ストロベリー&クリーム」が半八重(花びら5枚以上),「ストロベリー・アイス」は一重の点でしょう.
尚,T&M以外の種苗メーカーで,この品種に酷似したものがあります.98年サカタのタネから発売された「ピーチメルバ」がそうです.これは種袋の写真によるとどうやら花は一重のようなので,T&Mの「ストロベリー・アイス」にそっくりさん,という事になります.

ストロベリー&クリーム(T&M)
 ストロベリー&クリーム(T&M)1 ストロベリー&クリーム(T&M)2 ストロベリー&クリーム(T&M)3      

ストロベリー・アイス(T&M)
ストロベリー・アイス(T&M)   

サカタのピーチメルバ(98/04/26写真追加)
サカタのピーチメルバ


●ホワリーバード系
ホワリーバード系の葉および茎はは明るい緑色.花色はクリーム色,オレンジ色,赤色など.花びらは一重・八重どちらもある.距が無いのが特徴.

ホワリーバード・クリーム(T&M社・1997年のニューフェース)        
ホワリーバード・クリーム1  ホワリーバード・クリーム2  ホワリーバード・クリーム3      

ホワリーバード・タンジェリン
ホワリーバード・タンジェリン1  ホワリーバード・タンジェリン2

Whirybird Tangerine 実に鮮やかなオレンジ色.品種名はタンジェリン・オレンジの花色から由来しているのかもしれません.6号深鉢.秋まき.花は一重〜半八重,距無し.

08/03/25撮影
 

ホワリーバード・ゴールド
ホワリーバード・ゴールド   

ホワリーバード・ミックス
ホワリーバード・ミックス1 ホワリーバード・ミックス2 ホワリーバード・ミックス3

2002年度,ホワリーバード・タンジェリンとホワリーバード・マホガニー(いずれもChiltern Seeds)を大鉢に寄せ植えにしてみました.今まで大きくても6号鉢どまりで栽培していたのですが,大鉢というのは,株も大きく元気に育って良いものです.葉っぱも美味しそう.(^o^) タンジェリンはオレンジ色,マホガニーは赤色で,いずれも一重の花です.
ホワリーバード・タンジェリンとホワリーバード・マホガニー寄せ植え
ホワリーバードの寄せ植え ホワリーバード・タンジェリン(オレンジの方) ホワリーバード・マホガニー

Whirybird cherry Rose 08/03/16撮影.種は秋まき.6号深鉢に植えてあり,茎はグングン伸びるタイプ..
  

08/03/21・22撮影.満開に近い状態.洋ラン用の葉垂れ防止輪っかを利用しています.
 

●アラスカ系
96年まで栽培していたアラスカは,必ず斑入り葉でした.ところが,97年から斑無し葉のものが登場しています.「アラスカは斑入り」と思っていたのに,認識を新たにしないといけないようです.花色は黄,オレンジ,赤と様々で,距あり.

アラスカ・ミックス
アラスカ・ミックス1  アラスカ・ミックス2   アラスカ・ミックス3   


●チップ・トップ系
チップトップ系は葉,茎ともに黄緑かかった緑色.花色は,黄,オレンジ,赤と様々です.おおむね一重の花で,距あり.

チップ・トップ・ゴールド(T&M)
チップ・トップ・ゴールド(T&M)1  チップ・トップ・ゴールド(T&M)2  

チップ・トップ・マホガニー(T&M)
チップ・トップ・マホガニー(T&M)1  チップ・トップ・マホガニー(T&M)2  

チップ・トップ・アプリコット(右写真は98/4開花分)
チップ・トップ・アプリコット1 チップ・トップ・アプリコット2

チップ・トップ・スカーレット(T&M)
チップ・トップ・スカーレット(T&M)


●サーモン・ベビー
葉は濃い緑色,花はその名の通りサーモン色・・・・と言いたいところですが,サーモン色も個体によってバラツキがあるようです.
サーモン・ベビー1   サーモン・ベビー2  サーモン・ベビー3

サーモン・ベビー4 サーモン・ベビー5


●ピンクナスタNo.5
園芸店で「ピンクナスタNo.5」という名で出回っているもの.名札にはピンク色の写真が載っているのですが,実際の花色はチェリーローズ〜赤っぽい色が多いようです.

ピンクナスタ1  ピンクナスタ2


●エンプレス・オブ・インディア
茎,葉の周囲共に赤みをおびています.花は一重,鮮やかな朱色.葉は濃い緑色.距あり.株姿はコンパクト.種に赤い筋のような模様が入っています.

エンプレス・オブ・インディア1 エンプレス・オブ・インディア2 


●ジュエル系
種々のメーカーから「ジュエル混合」という名前で販売されています.花色は様々で距あり.

ジュエル1  ジュエル2


アタリヤ・ジュエル アタリヤ農園の種から.6号深鉢で種は秋まき.茎はグングン伸びるタイプ.花は一重で距有り.

左は08/03/06撮影,右は08/03/27撮影
 

●ジュエル・オブ・アフリカ
T&M社のオリジナル品種.アラスカとクライミング種の交配種で,この2品種の性質を併せ持っています.アラスカの血筋を引いて,斑入り葉です.花は一重,花色は,黄色・オレンジ・赤,黄色に赤ポチ等です.距あり.

ジュエル・オブ・アフリカ1 ジュエル・オブ・アフリカ2 


●チェリー・ローズ・ジュエル
月子さんに頂いた種を98年2月まきしたものです.花の雰囲気はピンク・ナスタNo.5と良く似ていますが,やや赤っぽい感じです.葉も茎も普通の緑色で,花色は赤(チェリーローズ)色.花は八重で距があります.

チェリー・ローズ・ジュエル1 チェリー・ローズ・ジュエル2


●ビジョー・ナイネ
フランス産のナスタで香りがとても良い品種です.様々な花色があり,距あり.

ビジョー・ナイネ1  ビジョー・ナイネ2  ビジョー・ナイネ3


●ムーンライト
花色がお月様みたいなので,こんな名前が付いたのでしょうか.北海道の樹子さんから97年秋に頂きました.距あり.茎,葉ともに普通の緑色で,花色は淡いクリーム色です.北海道で栽培されていた時,夏には草丈90センチにも育っていたそうです.花はホワリーバード・クリームを一重にしたような感じです.左の写真は97年12月に開花した時の物です.右の写真は98年2月蒔き株が4月に開花したものです.

ムーンライト1 ムーンライト2


●ヘルマン・グラショフ
花びらがフルダブルの珍しいナスタです.97年に入手しました.種が出来ないタイプで,距なし.挿し木で増やせます.

ヘルマン1 ヘルマン2 ヘルマン3


●スピット・ファイア
月子さんに頂いた種を97年秋まきしました.葉は普通の緑色で,茎と葉の周りが赤みがかっています.花色は深紅色を想像していたのですが,開花すると写真のようにオレンジ色っぽい色でした.一重で距があります.

スピットファイア 


●トム・サム系
月子さんから頂いたトム・サム・ダーク・リーヴド・ミックスを98年2月に,また北條さんから頂いたトム・サム・ミックス(T&M)とを98年3月にそれぞれ種まきしました.いずれも葉,茎ともに普通の緑色です.花色は様々,一重で距あり.株はコンパクトにまとまるようです.

トム・サム・ダーク・リーヴド・ミックス
1つ変わり種の株がありました.同じ株なのに咲く花の色が微妙に違うのです.黄色っぽいのと赤っぽい花が同時に咲いています.(写真右)

トム・サム・ダークリーブド・ミックス1 トム・サム・ダークリーブド・ミックス2 トム・サム・ダークリーブド・ミックス3

トム・サム・ミックス

トム・サム・ミックス 

Tom Thumb Mix (T&M) 08/03/09撮影.秋に種をまいた株.6号鉢に植えていて株はコンパクトにまとまります.

 


●ベスヴィアス
月子さんから頂いた種を98年2月まきしました.ベスヴィアス火山に由来する名前なのでしょうか,鮮やかなオレンジ色の花が咲きました.葉は深い緑色,葉の縁と茎は赤みがかかっています.距あり.

ベスヴィアス


●ゴールデン・キング
月子さんから頂いた種を98年3月まきしました.名前の通り,鮮やかな「ゴールデン」です.葉と茎は普通の緑色,距なし.

ゴールデン・キング1 ゴールデン・キング2


●キング・セオドア
ゴールデン・キングと同様,月子さんから頂いた種を98年3月まきしたものです.葉はダークグリーン,縁は赤く,茎も赤っぽく,花は朱色に近い赤色・・・そう,今まで経験した中の「エンプレス・オブ・インディア」と非常に良く似た特徴を備えています.株もコンパクトにまとまります.左の写真では手前側,右の写真では奥側にアラスカの葉がうつってます,念のため.(^_^;)

キング・セオドア1 キング・セオドア2


●ブラック・ジャック
ブラック・ジャック(種苗会社はPlants of Distinction)は葉の色が暗い緑色で,発芽時には殊にその特異さが目立っていました.花が咲いてみると鮮やかな一重の赤花で,葉といい花といい,「エンプレス・オブ・インディア」を思わせるものがあります.カタログにも「Empress of Indio」が唯一近い品種だと思います」と書かれています.

ブラック・ジャック ブラック・ジャック


●トール・ミックス(Aviflora)
トール・ミックス(頂き物;Aviflora社)は2株を寄せ植えにしています.本来ならもっとグングン茎が伸びていくのでしょうが,ずっと日陰の環境に置かれたままなので伸び悩んでいるように見えます.ミックス種で,今回出現した花色はオレンジと赤,いずれも一重の花でした.右手に写っている管は自作給水装置の一部です.

トール・ミックス1 トール・ミックス2 トール・ミックス3


●クロテッド・クリーム
クロテッド・クリーム(Plants of Distinction)はムーンライトのようなクリーム色の花で,半八重,花弁が縮れた感じの花です.この花が咲いた時には,まるで「T&Mのホワリーバード・クリームみたい」と思いました.

クロテッド・クリーム クロテッド・クリーム


●モザイク・オレンジ
モザイク・オレンジ(Plants of Distinction)は斑入り葉が特徴です.蛍光オレンジの一重の花が鮮やかです.下の写真で一番右は,後ろにブラック・ジャックが写っています.葉の色を比較してみて下さい.ブラック・ジャックの葉色がいかに暗い緑であるか,お分かり頂けるでしょう.

モザイク・オレンジ モザイク・オレンジ モザイク・オレンジ(後ろはブラック・ジャック)


●モザイク・フレーム
モザイク・フレーム(Plants of Distinction)も斑入り葉です.花色がモザイク・オレンジより赤っぽい色です.

モザイク・フレーム モザイク・フレーム


●ストロベリー&クリーム(Plants of Distinction)
ストロベリー&クリーム(Plants of Distinction)は,同名の品種がT&Mでも販売されています.T&Mの方は半八重ですが,こちらは一重の花が優勢のようです.距有りで,葉色は黄緑系です.

ストロベリー&クリーム ストロベリー&クリーム


●シェリー・トリフル
シェリー・トリフル(Mr. Fothergill's)は上記ストロベリー&クリーム(Plants of Distinction)とよく似た花を咲かせました.一重で距があり,花色はストロベリー&クリームよりやや濃い黄色です.葉の色も濃く,茎は赤みがかかっています.

シェリー・トリフル


●チェリー・クランブル
チェリー・クランブル(Plants of Distinction)は,半八重のピンクがかった赤い(チェリー色?)花です.昔見た「ピンク・ナスタNo.5」に雰囲気が似ています.葉は黄緑系です.

チェリー・クランブル チェリー・クランブル


●マホガニー・ジュエル
マホガニー・ジュエルは,T&M社2002年度・新発売の種でした.半八重で濃い赤色の花ですが,写真ではスリップスの被害が酷く,あちこち色が抜けています.

マホガニー・ジュエル マホガニー・ジュエル


●中国産・ナスタチウム
頂き物の中で中国産のナスタチウム種(種袋のページで紹介しているもの)があり,蒔いてみたところ,一重でオレンジの鮮やかな花が咲きました.

中国産ナスタ


●ミルクメイド
"Milkmaid"は 2003年度のT&Mの新品種です.白に近い淡いクリーム色の花色が特徴です.2003年2月に種まきをして,4月23日に初開花しました.花色はカタログ通り明るく淡いクリーム色でしたが,驚いたのはガクや距までもクリーム色だった事です.葉も茎も黄緑色系で,花は一重です.

Milkmaid ガクまでクリーム色

Milkmaid 08/03/06撮影.花は淡いクリーム色,一重で距有り.


●インディアン・チーフ
Chiltern Seedsから出た品種です.この"Indian Chief"も2003年2月に種まきし,5月になって開花しました.目の覚めるような鮮やかな赤の花です.一重で距があり,葉は濃い緑色でフチが赤っぽく,茎も赤みがかっています.

Indian Chief Indian Chief Indian Chief


●Day Grow Mix
ヒロりん♪さんから頂いた種.秋まきにして翌春開花.6号深鉢に植えています.茎はグングン伸びます.花は一重で距有り.

08/03/08撮影
 


●St.Clements
T&M2007年度に登場した新品種.花は一重で淡いクリーム色,距有り.葉は普通のグリーン.

07/05/05撮影(蓼科で地植えにしたもの)