ナスタチウムを育てよう(種まき〜開花まで)


市販されているナスタチウム(T. majus)の栽培法(1例)です.種が大きく,発芽後も扱いやすい植物なので,ぜひ種まきに挑戦してみて下さい.(^^)

種まきは,寒冷地は春(3月〜),暖地では秋(9月〜)または春(2月〜)に行います.寒さ・暑さには弱いですから,それなりの保護対策が必要です.寒さの方は,0度くらいまでは大丈夫ですが霜には当てないようにして下さい.氷点下になる場合は,室内に取り込んだ方が無難です.夏場は出来るだけ風通しの良い,涼しい所に置きましょう.寒冷紗で直射日光を防ぐのも効果的です.

ナスタチウムはたいがい1年草扱いですが,うまく夏越し・冬越しが出来れば,数年生きてくれます.ご自宅生まれのナスタチウムをぜひ可愛がってあげて下さい.(^^)

1.種まき前の準備

発芽しやすくするために,種を一晩水に浸けておきます.と,よく本には書かれていますが,面倒だったらこのプロセスは飛ばしても大丈夫です.私自身,前は几帳面に水に浸していましたが,この頃は面倒なのでいきなり種を土に埋めています.(^^; ただ,この前準備をすると,若干発芽が早くなるように思います.

写真:種を水に浸す
 


2.種まき

前準備が終わったら,さぁ,種まきです.種まきの土は,無菌状態のものが望ましいので,使い古しの土は使いません.新しい赤玉土(小粒)と新しいバーミキュライトを半分ずつの割合で混合します.ウチでは水はけをよくするため,その際に1ミリ目のフルイでふるって,微塵を取り除いています.

土に種を埋めて,覆土は種1個分から1センチほどしておきます.しっかり水やりをして,ある程度温度が保てる場所(2月まきする場合は室内)に置きます.用土はカラカラに乾燥しないよう注意します.発芽適温は15〜20度くらいです.品種名を書いたラベルを挿しておきましょう.

写真:種まき


3.発芽

早くて1週間ほど,遅くとも半月もたてば発芽が始まります.品種によって,既にこの時点から茎や葉の色がバラエティに富んでいるのが分かります.まずは種の端に割れ目ができ,次に「ヨッコラショ」と背中を丸めながら芽が出始め,その後スックと立って,次第に双葉を開いていきます.双葉は赤ちゃんが手を開いたような,可愛い形をしています.(^^)

写真:ナスタチウム発芽の様子
   


4.植え替え

双葉が出たら,種まき用土から成長のための用土へ植え替えます.ウチでは9センチの黒ポット(ホームセンターで入手)を利用しています.赤玉土(小粒)・バーミキュライト・腐葉土をブレンドし,元肥としてマグアンプKを少量混ぜます.発芽した苗をスプーン(極小スコップでもOK)ですくって,新しいポットへ移します.植え替えの際,多少根が切れても大丈夫.しっかり水やりしていれば,そのうち根付いてくれます.

写真:黒ポットに植え替えてしばらくした時の様子


5.成長から開花

後は毎日の観察です.土が乾けば水やりし,葉が混み合い過ぎたら適当にカットし,害虫がつけば退治して,育てていきます.黒ポットの下から白い根が見えてきたら定植OKです.後は開花を待ちます.開花が始まれば,週1回の液肥(ハイポネックスなど)を施します.花が終わった後の花ガラは,害虫の温床になりやすいので,サッサと摘み取りましょう.

秋まきナスタは,冬越し環境(室内の明るい場所で温度が充分)が良ければ3月頃から開花し始めます.普通は4月開花となります.暖地で2月まきしたものは,4月下旬から5月にかけて開花が始まります.寒冷地ではそれ以降の開花となりますが,暖地と違って夜の気温が下がるため,夏の間中花を楽しむ事が出来ます.暖地では夏場は開花はお休み…というか,酷暑で株がかなりダメージを受けるシーズンなので,夏越しが課題となります.

写真:開花おめでとう〜!(^o^)