【レピドム:ちょっと気になること】

2004年度(2004/02〜03)
2003年度の栽培で,花芽形成の頃に花芽の付き方が輪生状になっているのに気づきました.そもそもこのT.lepidumという品種は良く分からない事が多いのです."Tropaeolum News n.2"(参考文献 3))によると,"Plant World"で販売されているT.lepidum はどこで採種された種か不明ですが,T.azureum × T.hookerianum のハイブリッドの可能性が指摘されています.

著者Clifton氏の記述によると,
1)葉節(葉が茎から出ている所の付け根)は単一で広く間があいている事から"T.hookerianum"と同定したくない.
2)花がややトランペット状でブルー・パープルという色が出現する事から"T.azureum"と同定したくない.
3)花芽が全く同じであること,距が良く似ている事から"T.azureum"と同定したい.
とあり,結局品種を同定するためにはもっと詳しい鑑定方法が必要で,今の段階では同定できないとの結論になっています.

そこで,疑問に思ったのは,1)の記述です.ウチで栽培しているT.lepidumは葉節が単一に見えない箇所があったのです.やはり何かの雑種なのでしょうか.結論は出ませんが,ともあれ2003年度に観察した事をそのまま記載します.輪生状になった部分に黒マジックで印を付けて様子を見ていたのですが,結局輪生状の部分はそのままに近い状態で開花に至りました.(2004/02記)


2005年度(2005/02〜)
自家採種した種がたくさんあるので,ここのところ種の購入は見合わせていますが,"Plant World"のHPを見ると,T. lepidum の説明で次のような記述があり驚きました.この文章は花色の説明等の後でカッコ付きで記載されていたのですが,私にとっては衝撃的でした.
"(It has been suggested that this is a form of the equally rare T. hookerianum subsp. austropurpureum.)"
う〜ん,やはりT.hookerianumに関係するのか….

そして今年もレピドムが開花するシーズンを迎え,昨年同様にその花芽の付き方が気になり始めました.ウチのレピドムでどの株が輪生状なのか,じっくり見てみようと思います.(2005/02記)


2004年度

2004/02/13
一番の成長株だったレピドム12号が開花間近となりました.

実はこの株,少し前から気になった事がありました.いえ,この株に限った事では無いのですが,時々花芽の付き方が変わっているな,と思う事があるのです.というのも,普通は数センチずつ離れて花芽が付いているのですが,時々輪生状(下記・左写真赤円内)に花芽が群れて付いている事に気づいたのです.

写真:レピドム12号(2/10撮影)
輪生状の花芽 黒マジックで印付け

上・右の写真で,真ん中の太い部分は茎,1〜3は葉柄,a〜cは花芽です.なんだか不思議な感じがしたので黒マジックでこの部分に印を付けておき,後々の観察対象としました.今は1〜3までの間がずいぶんくっついていますが,成長するに従って間隔が空いていき,開花時には輪生状にならないのかもしれません.もし,開花時にも輪生状になっていたら…これは「もしかしたらレピドムでは無いかもしれない?」という,ゆゆしき大事(?)…品種問題にもつながります.そもそも「レピドム(T.lepidum)って何者?」と調べてみても,詳しい事は分からず元来その正体は不明なのですが.(-_-;)

で,「そういえば開花しそうな所はどうなっているだろう?他の所は?」と思ったら居ても立ってもおられずに,モジャモジャに茂った茎をほどいて行く…という気の遠くなるような作業に取りかかりました.爪楊枝を使用しながら支柱やら近所の茎やらに巻き付いた部分を根気よく取り外し,苦労する事2時間,ようやくその全貌が明らかになりました.その間,落とした花芽(開花間近だと言うのに!)4個(T_T),落とした葉は数知れず.それでも茎を折る事無く作業は終了しました.

写真:レピドム12号;茎の長さはどこまで続く?
超ロングな茎

全長約220cm超,伸びに伸びたレピドム12号は面白い姿を見せてくれました.イモから約180センチの所にあった開花間近の花芽の部分では,茎も太く葉と葉の間隔が約5センチ,葉の脇に花芽が独立して付いています.(下記写真では,真ん中に1つ花芽があるだけで両脇には落ちてしまったのが2つも!(T_T))

写真:レピドム12号;葉の付け根(青円内)と開花間近の花芽(赤円内),花芽のアップ
花芽の付き方は独立系 無事だった1つの花芽

で,あちこちで茎が枝分かれし,その先端部分に花芽が出来ていますが,そのうちの一つは下の写真のように葉や花芽の間隔が詰まっている感じです.う〜ん,やはり成長度合いの違いなのかなぁ?

写真:レピドム12号;とある先端部


ともあれ後は経過を観察する事にして,再び長く伸びた茎を支柱に巻き付ける作業を行ったのでした.


2004/02/14
昨日咲きかけていたレピドム12号が開花しました.あぁ,4個も花芽を落としたのが悔やまれます.(T_T)
それにしても強い風で,ただでさえピント合わせが難しいのにもう大変.(~_~;) とりあえずうまく撮れたものをご紹介します.

元々洋ラン用の葉ダレ防止用の「わっか」を支柱として使っていたのですが,あまりにも茎が伸びてモジャモジャ状態だったので,昨日茎をほどいたついでに別の支柱をセットしました.この支柱は背が高いので強風だと心配です.そのため鉢をもう一回り大きな鉢にスッポリ入れて二重鉢にしてみました.これで少しは安定性が増したような感じです.

新・支柱に茎を巻き付けたのは良いけれど,そういえば黒マジックで印を付けた茎はどこへ行った??と探す(^^;こと数分,支柱の下方部分に該当の茎を発見し,再度オモテから見た時に分かり易いよう黒マジックで印を付けなおしました.

写真:開花したレピドム12号
新・支柱に巻き付けたレピドム12号 レピドム12号開花!


2004/02/21
ここ数日の春の陽気でレピドム12号が次々と咲き進んでいます.

写真:咲き進むレピドム12号と19号の花芽
レピドム12号

また,12号で花芽が輪生状に付いている所にマジックで印を付けましたが,その部分の花芽は大きくなってきた(このページ上の2/13の写真と見比べてみて下さい)ものの,茎自体の伸びは今ひとつといったところです.

写真:レピドム12号マジック部分
12号マジック印部分


2004/03/03
黒マジック部分の花芽がついに開花しました.

写真:レピドム12号マジック部分(赤丸印)


2005年度

200/02/20 昨年ここでレポートしたレピドム12号は,今シーズンは発芽する事無くイモがダメになってしまいました.残念.(-_-;) 今年は1株だけでなく,全体的に見渡してみようと思います.
200/02/26 まだ花芽が小さくて,輪生状かそうでないのか見分けのつかない株も多いですが,それでも明らかに輪生状かも…という株は今のところ5株ほど存在しています.開花したらそれぞれの花の特徴もチェックしてみたいと思っていますが,ここに載せていないレピドムも含めると30株以上あるので,開花ラッシュになるとちゃんとチェックできるかな〜?と今から心配です.(^^;

花芽が輪生状と確認できた株は,株名に色を付けています.

株名 花芽の様子
7号 02/20
開花し始めた株.花芽は輪生状.(02/20)
03/09
花色は淡いパープル
9号 2004年10月の台風被害復旧時にレピドム21号&青花ナスタと合計3株寄せ植えにしたため不明.昨年は大きな花弁が見事でしたが,開花したら判明するかな?(02/20)
10-1号 10-1号,10-2号の親株レピドム10号は2004年秋にイモが没になりました.左の画像は2004/3/15に撮影した花の様子です.花芽は輪生状ではありませんでした.この性質は子イモにも遺伝するかな?
02/20
10-1号のやはり花芽は輪生状では無いです.
04/13
花は大きさも色も普通.
10-2号 10-2号の花芽もまた輪生状ではありません.ちゃんと親株の形質を受け継いでいるようです.(02/20)
19号 02/20
花芽は輪生状ぽく見えますが,よく分かりません.
03/09
花芽はやはり輪生状で,開花した花はやや大きめです.
21号 2004年10月の台風被害復旧時にレピドム9号&青花ナスタと3株寄せ植えのため不明.

左の画像は2004/3/2に撮影した21号の様子です.花芽は輪生状に付き,開花した花は下の花弁3枚が縦長の形をしていました.
23号 02/20
花芽は輪生状
03/09
花は下の花弁3枚が縦長の形.花色は淡いパープル.
43号 まだ花芽は小さくて輪生状かどうかよく分かりません.(02/20)
44号 まだ花芽は小さくて輪生状かどうか分かりません.(02/20)
36号 ?行方不明
45号 まだ花芽無し(02/22)
31号 花芽は輪生状でなく,2/25開花した花は花弁にスジ模様入りで花色もピンクがかっていました.(02/25)
32号 花芽はまだ付いたばかりでよく分かりませんが,今のところ輪生状では無さそうです.(02/20)
52号 今のところ花芽は輪生状では無さそうです.(02/20)
53号 まだ花芽無し(02/20)
30号 2004年10月の台風で行方不明.(-_-;)
38号 02/22
まだ何とも言えません.左の画像では輪生状に見えませんが,右の画像では輪生状っぽくも見えます.
04/13
開花すると数個の花がかたまって咲いています.花芽は輪生状でした.花は大きめで,色は一般的なレピドム色の範囲の中に入る色でした.(04/13)
47号 花芽は輪生状.(02/20)
48号 まだ花芽無し(02/22)
49号 まだ花芽無し(02/22)
50号 まだ花芽無し(02/22)
51号 まだ花芽無し(02/22)
33号 02/20
花芽は小さく分かりにくいです.
03/09
花芽は輪生状で無く,開花したらピーチ色でした.
46号 花芽が小さいのでまだよく分かりません.(02/20)
34号 02/20
既に開花中の株.花芽は輪生状.
03/09
花色は淡いパープル
35号 花芽は今のところ輪生状では無さそうです.(02/20)
37号 2004年10月の台風で行方不明.(-_-;)
40号 花芽は小さくまだ輪生状かどうか分かりません.(02/20)
41号 花芽は小さいですが,輪生状っぽい感じです.(02/20)
42号 花芽はまだ小さく,輪生状かどうか分かりません.(02/20)