ナスタの仲間たち(Tropaeolum属)
Tropaeolum hookerianum ssp. austropurpreum F&W9091


T.hookerianumは青花ナスタと同様のライフ・サイクルを持ち,同様の栽培方法でOKです.

ここでは2005年度の栽培記録を掲載しています.

2005年度(2005年秋〜2006年春)の栽培記録
2005/10 10/05 USA在住の人に頂いたT.hookerianum(←正式名は長いので略)の種を冷蔵庫蒔きにしてみました.F&Wというのは,Flores and Watsonという,お二人の有名なシード・ハンター(特にアンデス方面の種をコレクションされている事で有名)が採集した種という意味です.この種は2003年に採集されたとの事です.

10/27 少し古い種なので発芽してくれるかな?とちょっと心配でしたが,ついに2粒に発芽の兆しが見えました.さっそくビニール・ポットへ仮植えしました.

写真:発芽の気配


10/30 さらに2粒に発芽の兆しが見えました.これらも外のビニール・ポット行きです.先にビニール・ポット行きとなった種の方からはまだ新芽が見えてきません.

写真:発芽の兆し
2005/11 11/03 先月末に発芽しかけていた種はいったん仮植えにしていましたが,やっと定植しました.全部で4株,無事に大きくなってどんな花が開花するか楽しみです.一番成長の早いものは地上に1〜2センチ顔を出しています.

写真:地上に出た新芽


11/12 蓼科に冷蔵庫蒔きの種を持ってきて,しばらくは種の事を忘れていました.11/11に久々にチェックしてみると,5つの種が芽割れしていました.慌てて鉢に種を埋めて戸外に出しました.最低気温が氷点下になりそうな日は,鉢を玄関先に入れておかないと…と思っています.(忘れそう(~_~;))

写真:芽割れした種(05/11/11撮影)


11/17 最初に発芽した株は,留守中も無事に過ごしていたようです.画像は月初に定植した株の1つです.

写真:茎が伸びた株


11/20 冷蔵庫蒔きした種の中でまた2つ芽割れを確認しました.

写真:芽割れした種(11/20撮影)
2005/12 12/16 他の青ナスタ仲間と同様,T.hookerianumも徐々に成長しています.ただ,この品種は今シーズン全て種からだけなので,他の品種に比べると成長が遅いように感じてしまいます.

大鉢に寄せ植えしたものが2鉢あるのですが,一方はレピドムのような緑の葉が展開し,順調に伸びています.(その1)もう一方はモヤシみたいに茎の色が悪く,元気がありません.う〜ん,土が悪かったのか,水はけが良くないのかもしれません.(その2)

写真:寄せ植えにしたT.hookerianum その1とその2
 
2006/01 01/07 12月に調子が悪いなぁと思っていた「その2」の鉢では,茎がすっかり干からびてしまいダメになってしまいました.「その1」の方はまだ無事ですが,寄せ植えのうちの1株が同様に干からびかけています.青々とした茎の子に期待しています.単体植えのものも成長具合は遅いです.果たして今年花が見られるかどうか,ちょっと不安な気もします.

写真:寄せ植え「その1」の鉢と単体植えの株
 

01/29 T.hookerianumは気難しいのか,単体植えの2株がダメになってしまいました.そこそこ伸びていたのに残念です.雪をかぶる場所に置いてあったのがまずかったかな.1/7にダメになった「その2」鉢(3株寄せ植え)は,逆に無加温温室に入れていたものです.ん〜,こちらは蒸れたのかな?

ダメになった「その2」の鉢から茎をそっと取り出してみると,まだ白い根が残っていたので,ダメモトでビニールポット植えにしてみました.3本あったうち,1本は完全に干からびていたので諦めて,2本を同じポットに植えました.土は種まきや挿し芽用の土(赤玉とバーミキュライトを半々)にしました.果たして復活するでしょうか??

下の画像(一番左)では赤矢印の部分が種です.それより右側が根,左側が茎の部分です.画像(中央,右)は植え替えた後の茎の様子です.白っぽい黄色になってしまっており,このまま干からびても仕方無いかも…という状態です.一番右の画像では茎が2本見えていますが,根元は同一の株です.(未練タラタラ〜(^^;(^^;)

写真:ダメになった株
  

ちなみに1株植えのものはなかなか茎が伸びず,イモでも作っているのかな?と思ってしまいます.これでイモも無かったらガッカリです.

写真:1株植えの株
2006/02 02/12 1株植えにしているhookerianumと寄せ植え株のhookerianumにツボミらしきものを発見しました.ちなみに先月黒ポットに埋めなおしたダメになりかけの株ですが,日を追うに従って茎が白っぽくなり,持ち直す見込みは無さそうです.ん〜,残念.


写真:花芽の付いたT.hookerianumとそのアップ
 

写真:1株植えと寄せ植え株のhookerianum,その花芽
  
2006/03 03/11 発芽はしたもののその後調子を崩して成長しない株が結構ありましたが,3月になって寄せ植え株でようやく花芽がふくらんできました.この鉢では,先月に比べてずいぶん葉が茂りました.いよいよ開花待ちです.

写真:ふくらんだ花芽
 

03/17 ついに開花しました.寄せ植えにしていた鉢と単体植えの鉢,両方で開花しています.暖かい日が数日あると驚く程ツボミのふくらみが速くなります.咲いた感じを見てみると,やはりこれはレピドムに似ている(レピドムがT.hookerianumに似ている,と言うべきか?)と思います.レピドムの典型的な花色と同じ淡い紫色で,もし名札が無ければレピドムと間違えてしまうでしょう.

写真:開花したT.hookerianum(寄せ植え鉢)
 

写真:開花したT.hookerianum(単体植え鉢)
 
2006/04 04/08 T.hookerianumはどんどん咲き進んでいます.まだまだつぼみがたくさんあり,満開はこれから…といったところです.しばらく楽しめそうです.

写真:咲き進むT.hookerianum(寄せ植え株)
  

写真:単体植え株(未開花)と単体植え株(開花),その花のアップ
  

04/16 T.hookerianumはどんどん咲き進んでいます.寄せ植え株は花が多くなかなか見事になってきました.単体植えの株も満開状態になりました.

写真:寄せ植え株全体像とそのアップ,一番右は単体植え株
  

このT.hookerianumを横から眺めた画像を撮ってみました.ガクから距の部分は比較的大きく距は短めです.

写真:寄せ植え株の距


04/21 寄せ植え株のT.hookerianumは最盛期を迎え,花の終わった後には種が見られるようになってきました.

写真:最盛期を迎えたT.hookerianumの寄せ植え株
  

写真:出来はじめた種


04/22 ほとんど全ての鉢を北バルコニーに移動し,後は天の恵み(雨)のみで生きてもらう事にしました.なかば強制終了(休眠突入)の手順です.一番最後に咲いたT.hookerianumは,花がピンクの濃い色をしています.

写真:最後に咲いたT.hookerianumの株
  
2006/05 05/11 蓼科から戻ると全ての株が干からびて今シーズンの終わりを告げていました.種もそこそこ採れましたが,例によって他の品種と交雑している可能性が高く,次世代にどんな花が出てくるかが気になります.