蓼科高原だより:その23(2003/04/24〜03/05/06)

5カ月ぶりの蓼科
昨年11月以来,4カ月のブランクを経て,5カ月ぶりに蓼科にやって来ました.この冬は積雪量が半端ではなく,倒木が多いという話を聞いていたので(ウチでは電気メーターが被害に遭いました),ある程度は覚悟していましたが,実際この目で見たらやはり凄かったです.庭では桜の木が垣根のイチイを外側へ押しやっていたり,別の所では高くそびえていたアカマツの先端3mほどが折れてデーン!と通路をふさいでいました.あと1m倒れた場所が家屋寄りだったら,温水暖房機やらエアコンのコンプレッサーを直撃してエライ目にあう所でした.でも可愛そうにコシアブラの木(最近トレンディ?な山菜)が折れたアカマツの下敷きになってしまってました.

蓼科到着の日もその翌日もあいにくの雨.しかしその雨の中,コシアブラ救出作戦を決行しました.アカマツの主幹から出ている枝を1つ1つノコギリで切り,ようやく主幹だけの棒1本になりました.そしてコシアブラの上に乗っている主幹をギコギコと根気よくカットし,なんとかコシアブラを救出することができました.所要時間約1時間ほどでしたが,雨が降っている上,慣れない作業で大汗をかいて,ずぶぬれになりました.コシアブラは新芽が出始めています.このまま無事に育ってくれるよう「頑張って」と声をかけておきました.願いが届くと良いのですが.

さて,厳しい冬を乗り切った庭の様子「サバイバル編」です.この冬は最低気温がマイナス14度でした.春の訪れは昨年より遅く,ミツバツツジもようやくつぼみがほころんで開花し始めたところです.庭の桜もこれからです.散歩していると,ミツバツツジも桜もきれいに咲きそろっている所がありました.きっと日当たりが良く,開花が早かったのでしょう.

庭で咲いていたのはヒヤシンスでした.何故か紫のものばかり4本.昨年は白っぽい株もあったのに,どこへ行ったんだろう?と不思議です.何気なく写真を撮ったのですが,後でシジミチョウが写っているのに気づきました.(^o^)

写真:左から ヒヤシンス,シジミチョウ,咲き始めたミツバツツジ
ヒヤシンス シジミチョウ ミツバツツジ

ラズベリー,クランベリー,房スグリといったベリー類は全て無事で,さすが耐寒性の高さを誇っています.ブルーベリーの木も新芽を出していました.

散歩の途中では,倒木の被害をあちこちで見かけました.根元から折れている木や,主幹の途中から折れた木など,今年の雪が凄かった事を物語っています.植物では,ユキヤナギ,スイセン,ミツバツツジ,サクラ,スミレ,クサボケ,タンポポなど春の花たちが咲いていました.また,シロハラという野鳥も見かけました.これは大阪でも見かけた事があります.グレーっぽいような茶色っぽいような色で,ハトよりやや小さく,地上に降りた所を見つけました.目立たない色なので,動いていないと背景に溶け込んで非常に見つけにくい鳥です.写真を整理する時にも,「どこに写ってるんだろ?」という感じでした.(^^;それにお腹の部分はオレンジ色なのに,何故か名前が「シロハラ」なのが不思議です.近づくと「キョ,キョ,キョーッ」と静寂を破る大きな声をあげて飛び去りました.

写真:左から スミレ,クサボケ,咲き始めたタンポポ
スミレ クサボケ 咲き始めたタンポポ

写真:シロハラ(なんとも目立たない色!)
シロハラ オレンジなのにシロハラ? シロハラ
神田の大糸桜
蓼科から小淵沢方面へ向かう途中,「神田の大糸桜→」という看板が目に留まりました.今まで見たことのなかった看板です.折しも季節は春,立派な桜に出会えるかもしれない…という期待で,要所・要所で出てくる看板に従って車を走らせていくと,ついに「神田の大糸桜 臨時駐車場」という大きな看板のある空き地を発見.既に車が1台停まっています.とりあえずそこに車を置き,降りて周囲を見回しました.駐車場の横には遮断機があり,のどかな風景が広がっています.でも「肝心の桜はどこ?」

しばらく周囲を散策していましたが,ふと遮断機のはるか向こうに立派な木があるのと人々が群がっているのを発見,近くまで行ってみることにしました.木の前に立てられた看板により,「神田(しんでん)の大糸桜」だと判明.樹齢約700年と言われる巨木で,山梨県の天然記念物だそうです.花の方は終わりに近かったようですが,それでも青空を背景に集まった人が次々と写真撮影をしていました.

写真:大糸桜(人や車の大きさと巨木とを見比べて下さい)
大糸桜

春の花パーク・フィオーレ小淵沢
小淵沢I..C.からすぐの所にある花パークへ行ってみました.夏に訪れた時には,ユリ・ヒマワリ・アメリカフヨウが見事でした(蓼科高原だより:その19)が,今回はチューリップ,パンジー・ビオラ類,シバザクラ,ケマンソウが咲き誇っていました.園内のチューリップはまだつぼみの物も多かったです.

入口付近では真っ白のシバザクラが満開で,遠目に見ると雪が積もったように見えます.

写真:フィオーレ小淵沢入口付近の見事なシバザクラ
斜面一面の白いシバザクラと八ヶ岳 入口付近のシバザクラとチューリップ

写真:様々なチューリップが開花中
チューリップ チューリップ チューリップ

写真:チューリップと八ヶ岳
チューリップと八ヶ岳 

写真:左から ケマンソウ,クリスマスローズ,ビオラの紫のじゅうたん
ケマンソウ クリスマスローズ ビオラの紫のじゅうたん

庭の桜開花
GW後半の3連休,ついに庭の桜が開花しました.5/3の最高気温は27度を記録,もちろん今年最高で,庭の桜もこの陽気で慌てて咲いたのでは,と思います.ご近所さんが「ついこの前まで雪が残っていたのに」とおっしゃっていたのが印象的でした.急激に温度が上がると,日の当たる所ではジリジリと肌が焼けるのを感じます.UV対策必須の季節となりました.

先週,蓼科に来てから今日までの約1週間余りの間にずいぶん庭の様子が変わりました.つぼみだったミツバツツジが満開を過ぎ,花の気配も無かった桜が開花,木々はどんどん新芽をふいて,ダイナミックな季節の変化を感じます.まさに「一気に春が進行中」といった感じです.

写真:山椒の新芽;左は4/27,右は5/3撮影
山椒4/27 山椒5/3 

写真:左から 葉が展開してきたミツバツツジ,庭のあちこちで咲いている自生スミレ
葉が展開してきたミツバツツジ 

地植えにしたままだった青花ナスタ仲間,シリアツム(T. ciliatum)の新芽が,今年も冬の寒さを乗り越えてワラワラと出てきました.

写真:たくさん出てきたシリアツム新芽
シリアツム新芽

驚いたのが,昨年秋に青花ナスタ仲間を種まきして,未発芽だった物を土ごと埋めて置いた場所から発芽を確認した事です.青花ナスタ,レピドム,ポリフィラム,ブラキセラスと4種類の種を蒔いているので,どの品種から発芽したかは分かりませんが,ともあれビックリしています.これらは冬に成長するライフ・サイクルですが,今ここで発芽してどこまで育つのか,新たな興味が生まれました.大阪ではアッという間に暑さでやられてしまうのがオチですが,蓼科ではどこまで成長できるのやら,そして5月末から6月にかけて,やはり休眠に入るべく枯れていくのか,それとも成長を続けるのか,みものです.

さらに諦めていたスペシオスム(T.speciosum)の黒ポットをひっくり返してみると2つ発芽の兆しのある種を発見,慌てて埋め戻しました.これはいつ蒔いたか忘れてしまったほど昔の物のような気がします.(~_~;)

写真:左から 発芽した青花ナスタ仲間(品種不明),スペシオスム発芽か?
発芽した青花ナスタ仲間 スペシオスム発芽か?

冬を通して咲いていたと見られるエリカ,そしてこれから開花しようとしているヒトリシズカやヤマブキと,どんどん庭は賑やかになっていきます.(03/05/04)

写真:左から エリカ,開花し始めたヒトリシズカ,ツボミのヤマブキ
エリカ ヒトリシズカ ヤマブキ


今回出会った野鳥たち
今回の滞在中,散歩の時に見かけたり,庭にやってきた野鳥たちです.クロツグミはよく地面に降り立ち,土のところをつついて虫を探しているようでした.名前の通り黒い鳥で,お腹の部分には黒班のまだら模様があります.ヒヨドリは庭の水飲み場にやってきました.イカルは団体でやって来て,ヒマワリの種を食べ散らかしていきました.(^^;

写真:左から クロツグミ,ヒヨドリ,イカル
クロツグミ ヒヨドリ イカル

カケスはカラスの仲間で,大きなからだをしていますが警戒心の強い鳥です.翼のブルー模様がとても美しく,飛んでいる所はよく見かけるのですが,なかなかカメラに納める事が出来ませんでした.たまたま庭のヒマワリの種置き場にやって来た所を,窓ガラス越しでしたがようやくとらえる事ができました.くちばしにヒマワリの種をくわえています.

写真:カケス
カケス

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