蓼科高原だより:その80(2010/10/07〜10/10/23)

トリカブト開花(10/07)
蓼科入りして玄関前の温度計を見ると,不在中の最高気温27度,最低気温6度だった.何と言う気温差なんだろう!(@_@) 
庭をチェックするとトリカブトが初開花.種から育てていたものだけに嬉しい.(^^)

1株はヤマトリカブト(systemさんから頂いた種),もう1株はvolubile(Chiltern Seedsからの種:Aconitum volubile).同じトリカブトでも葉の様子が異なる.volubileは三つ葉みたいな葉.volubileは茎を長く伸ばし,下の方で咲いているものと支柱を伝った茎の先に空中で咲いているもの,の二箇所で咲いている.他にもたくさんトリカブト仲間を地植えにしているが,咲いているのはこの2株だけ.後は「何とか生きている」状態.来年,環境条件が良ければ咲いてくれるかな?と期待.

写真:左から ヤマトリカブト,volubile(下部で開花中),volubile(上部で開花中)
  

横谷観音付近の紅葉(10/11)
今年の紅葉はどんなものかと紅葉の名所・横谷観音付近を見に行ってみた.ところがまだ全然.一部紅葉している樹はあったが,まだこれからのものが多い.やはり今年は秋の訪れが遅いのだろう.それでも観光客は来ていて,赤く色づき始めたモミジの写真を撮っていた.

写真:横谷観音付近にて
 

 

八ヶ岳薬用植物園(10/11)
三連休最終日でどこも人出が多いだろうと,いつものランチ場所・八ヶ岳薬用植物園へ.栗拾い体験をやっていたようで,家族連れがそこそこ来園していたが,植物園とは別のところに栗林があるので,植物園内にはざわめきは聞こえない.赤トンボが飛び,少し紅葉が始まった景色を眺めながら,のんびり,まったり過ごす事が出来た.(^^)v

先月訪れた時に盛大に咲いていたシオンはまだ花はあったものの,やけに静かで寂しい.訪れるチョウなどの昆虫がめっきり減ってほとんどいなかったから.低温のためか,花にもう魅力が無くなったからか.先月は黄色が鮮やかだったオミナエシも茎が赤っぽくなり終わりかけ.

元気に咲いていたのはコルチカムとセンブリ.今の時期,コルチカムはあちこちで見かける.群植させると迫力はあるが上品さが無い.サフランの方が上品.
センブリはここで咲いているのを見るのは初めて? ここは直射日光が強いので,日よけを付けてもらっている.ウチでも咲いているが,雑木林の中では適当に日射しも弱められるのでちょうど良いのだろう.

写真:薬用植物園遠景 左から 奥に見えるのが事務所棟,ハーブコーナー(温室が見える),漢方植物コーナー
  

写真:コルチカムと花のアップ,センブリと花のアップ
   

近所の植物たち(〜10/14)
散歩をしていて出会った植物たち.
秋の訪れが遅くてトリカブトは(先月も少し咲きかけてはいたけれど)今月の方が勢い良く,あちこちで咲いている.ほぼ一ヶ月遅れ.

写真:トリカブト
   

  

秋はキク科の花がきれいだが,種類が多過ぎてよく分からない.

写真:マーガレット(バックはアメリカセンダングサ),アメリカセンダングサのアップ,ヤクシンソウ,品種不明の野菊
   

ホトトギスが咲いていた.昨年はシロバナホトトギスしか見かけなかったのに,今年は普通のホトトギスも発見.普通のホトトギスを見るのは初めて.10年来通っているのにまだ「初めて」の植物がある.少し時期がずれただけで出会えないものもあるのだから,植物の世界は奥が深い.

写真:シロバナホトトギス
 

写真:ホトトギス
 

日当たりの良いところに咲いていたウバユリは既に種が出来ている.日陰のはまだ緑色をしているものもある.出来た種鞘の中を見ると無数の種がぎっしり詰まっている.茎を持って揺らすと種が飛び散って面白い.(^o^) 真っ赤な実のマムシグサ,これも赤味の帯び具合が場所によってまちまち.まだ完璧に色づいていないのもあれば,既に真っ赤になって頭の重みに耐えかねて茎が折れたものもある.いずれ寒さに当たると茎はしんなりし,実の部分が地面に落ちる寸法.

写真:ウバユリと種,マムシグサと折れたマムシグサの茎
   

原村自然文化園(10/15) 
ウチより標高の高い原村自然文化園では,先月咲いていた植物たちがどうなったかな?と思い行ってみると…もうすっかり枯れ野原!(@_@)
秋の訪れが遅いと思っていたが,ここでは普通並か??曇り空のせいか,余計に寒々しく見える景色なのだった.

写真:原村自然文化園の遠景
 

花園だった湿性花園もすっかり枯れ野原.種を付けた植物たちが林立している.赤く色づいたフウロソウの葉の陰で咲いているウメバチソウを発見.先月も咲いていた.秋の定番・アキノキリンソウもほんの少しだけ残っていた.

写真:湿性花園の枯れ野原,ウメバチソウ,アキノキリンソウ
  

フジバカマは花の後,モコモコの種が付いていた.徐々に紅葉も始まっている.

写真:フジバカマの種
 

枯れ野原の湿性花園で咲いていたのはリンドウ.曇り空のせいか,花がしっかり開いていなくて残念.

写真:リンドウ
  

ハイジの村(10/16)
ハイジの村は秋バラが見頃と聞いて行ってみたら…ハロウィン一色!あちこちでカボチャを見かけた.画像・中段真ん中のカボチャはハイジの村・入り口に置かれていたもの.中身は牧草が入っている.普通は白いのだが,オレンジ色にペイントして顔を描いたそうな.

写真:ハイジの村のハロウィン飾り
  

  

  

バラはさすがに6月の最盛期に比べてグッと数は少ない.それでも色鮮やかに,香り高く咲いていた.

写真:秋バラいろいろ
   

   

   
蓼科湖周辺(10/18)
秋の蓼科湖周辺を散歩.ここも紅葉はあまり進んでおらず,一部きれいに色づいている程度.この季節はあちこちに植えられているシュウメイギクがよく目立つ.

写真:紅葉
  

写真:シュウメイギク
  
トロパの様子(〜10/20)
前回滞在時に種まきして,その後蓼科に置いていたポットからいくつか発芽.

一番成績が良かったのは初めて挑戦する品種,T.moritzianum.10/7蓼科に来た当初は4個発芽していたが,10/9には7個,10/12には8個全て発芽し,発芽率100%となった.10/12にはそれぞれポリポットへ格上げし,既に1株は里子に出した.大きな葉で,花の形はsmithiiに似ているらしいが,一回りか二回りは大きくなりそう.自生地では周年開花らしいが,こちらではいつ咲くだろうか.開花が楽しみ.今度大阪へ連れて帰る予定.

写真:moritzianum発芽(10/7,10/9,10/11撮影)
  

写真:ポット上げしたmoritzianum


蓼科に来た時点(10/7)に発芽を確認したものは…ブラキセラスのみだった.10/9にbeuthiiの発芽を確認,10/10にはさらにbeuthiiが2本発芽.10/12にはブラキセラスがさらに2本発芽し,hookerianumも発芽の兆し.10/14にはようやくazureumも発芽スタート・

写真:ブラキセラス(10/7),beuthii(10/9),アズレウム(10/14)
  

さらに10/18になると茎が一段と伸びてそろそろ支柱が欲しいくらいになった.

写真:成長中(10/18)


一方,ずっと夏の間も地植えだったspeciosumはUK号の方がすっかり地上部が無くなり,大阪に持ち帰るべく掘り上げてみた.まだ地上部のあるUK号はそのまま越冬実験.画像は10/8の様子.

写真:UK1号と2号(10/8)
 

蓼科で夏越ししたsmithiiとtuberosumだが,smithiiはさすがにヨレヨレ状態.茎が長く伸びているものの,途中の葉が枯れているので無駄に茎が長い感じ.そして先端部にチョコッとだけ緑の葉が付いている,という間抜けな状態だったので,オベリスクから外し整理.茎をぐるぐるまきにして新支柱に巻き付けておいた.

写真:smithii3,5,7号(10/20)
  

tuberosumも長く伸びた茎があったがやはり葉が途中で枯れているのでカット.こちらは下の方から新芽が出てきていたので,それなりの格好になっている.また,sessilifoliumは毎年のごとく発芽してからのんびりと成長中.

写真:tuberisoum1号(10/20),sessilifolium(10/20)
 

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