蓼科高原だより:その82(2011/04/10〜04/)

早春の景色:庭の様子(04/10〜12)
久々に蓼科にやってきた.不在中の温度は最低がマイナス14度,最高は19度.庭はまだ枯れ野原.ミツバツツジの花の気配も無い.早く咲く黄花カタクリは花どころか葉さえ見えない.枯れてしまったんだろうか.メコノプシスも地上部が見えず心配.他の植物たちは新芽を出しているものもある.そんな中,ビオラ達は元気に咲いていた.これは恒例だから驚きはしない.驚いたのはシクラメン(原種).もはや品種は分からないが,2株で花が咲いていたのにはビックリ.昨年咲いていたC.cypriumの仲間かもしれない.

写真:開花中のシクラメン
 

プリムラでは昨年地植えにしたもので花芽を上げているものがあった.ダブルプリムローズの札が付いている.

写真:プリムラ花芽


嬉しかったのはタマネギの無事を確認出来たこと.ヒョロっとした芽が昨年秋に植えた時のままのように立っていた.

写真:タマネギ・コーナー


早春の景色:近所の様子(04/11〜12)
散歩に出たらくしゃみ連発,こちらは花粉が多いようだ.大阪では目が痒くて辛かったがこちらは鼻の方がが辛い.(-_-;)

まだ日陰には雪が残っている.八ヶ岳にもまだ雪が残っており,11日より12日の方が雪が増えていた.12日の朝は冷え込みが強く,マイナス5度まで気温が下がった.11日夕方から夜にかけて雪が降ったのだろう.

写真:残雪
 

早春にしか見られないキクザキイチゲが咲いていた.日当たりの良い斜面に群落がポツポツと点在している.青花と白花があり,早朝は花が閉じている.

写真:キクザキイチゲ
   

早春の風物詩・ザゼンソウとミズバショウも咲き,フキノトウもあちこちで地上に顔を出していた.

写真:ザゼンソウ,ミズバショウ
   

写真:フキノトウ
 

原村自然文化園(04/15)
お天気続きで原村自然文化園へ.景色はここもまだ早春.ミズバショウが出ているかと思ったがまだそれほど出ていない.ほとんど枯れ野原の光景.

写真:原村自然文化園
  

ハイジの村・チューリップ祭(04/17)
ハイジの村ではチューリップ祭が始まったと知り,早速行ってみることに.村内にはたくさんのチューリップが植えられているが,咲いているのはまだまばら.その間に植えられたビオラは見事に満開で,辺り一面ビオラの香りで満たされていた.バラいっぱいの香りは何度も経験しているが,ビオラいっぱいの香りなんて初めて.

9時開村で9時過ぎに到着したため村内はまだ人が少なく,のんびり散策出来た.11時から結婚式があるとのことで,徐々に参列者および一般客が続々と増えていたが,バラ祭の時に比べたら人出は少ない方だろう.村内のレストランは結婚式のある時は貸し切りとなり利用することができない.他に軽食ならあるが,しっかり食べたい人は事前に知っていないと昼食難民になる可能性があるので注意が必要.

写真:チューリップとビオラの段々花壇
  

写真:チューリップ
   

写真:結婚式準備中
 

段々花壇に植え込まれているのは普通のチューリップだが,手前にある花壇には原種と思われる背の低いチューリップが植えられ,アピール度大!な派手なスイセンも咲いていた.

写真:チューリップ(原種),スイセン
 

そこかしこの桜もほぼ満開で美しく,シバザクラが一面に植えられた斜面もピンク&白に染まっていた.

写真:桜,シバザクラ
  

神田(しんでん)の大糸桜(04/18)
小淵沢町にある山梨県の天然記念物・神田の大糸桜.エドヒガンザクラの変種とのこと.
毎年見ているもののまともに開花しているところを見たことがなかった神田の大糸桜.今年は20日頃満開との情報を得て行ってみた.巨木の老齢桜で,何本もの支柱で支えられて痛々しいイメージだが,さらにブルーの防風ネットに周囲を囲まれその感が強くなる.

いつもなら桜のほんそばまで車で来れるのだが,今回は少し離れたところに駐車場がいくつか設けられており,そこに車を停める仕様になっていた.こんなのは初めて.いかにいつもシーズン外れに来ていたのか実感した.さすがに開花中とあって, 次々と訪れる人はそれぞれにカメラを持って思い思いに撮影を楽しんでいた.ここからはたまに通る列車(特急あずさ)も見えるので,鉄道ファンは列車を入れて撮っていたかも.

離れた駐車場から眺める桜もまた良いものだが,日本の風景でいつも思うのは「鉄塔が邪魔,電線が邪魔」.大糸桜の場合は防風ネットも興ざめだが,これは桜保護のためだから仕方無い.出来ればブルーじゃなくて白の防風ネットにすれば良いのに…と思ったが,そうすると桜の花の淡い色が分かりにくくなるかな.試しに防風ネット越しにも撮ってみた.確かに風が凄く強くて花のアップ写真を撮ろうとしたけど枝垂れた枝が風になびき,全然うまく撮れなかった.防風ネットの必要性を実感した次第.(^^;


写真:大糸桜遠景
 

写真:大糸桜 様々な角度から
  

写真:大糸桜 左から 防風ネット越し,地面に付きそうな枝垂れっぷり,花のアップ
  
野鳥たち
今回滞在中,様々な野鳥を見ることができた.木々の葉がまだ展開していない時期はバード・ウォッチングのチャンス.

まずは誰だか特定できない子.尾が長い.羽の模様が見えないので何とも言えないがホオジロか?

写真:誰?(4/13)


エナガは団体さんでせわしく飛び回る.大阪でも見かける鳥.一番右の画像,撮影時には気づかなかったが左下にメジロが写っていた.

写真:エナガ(4/13)
  

ピントがあまくてうまく撮れていないが,ホオジロ仲間だろうか.

写真:後ろ姿は誰?(4/14)
  

こちらはゴジュウカラ.久しぶりに見た.

写真:ゴジュウカラ(4/14)
 

そしてこちらも誰だか不明な鳥.原村で撮影.あちこちを行ったり来たりしていた.

写真:誰?(4/14)
 

この子も上の子と同じ場所でウロウロしていた子.同じ鳥かと思いきや,よく見ると違う.低木が藪状態になっている所で,数種類の鳥が行き交う場になっているようだ.

写真:誰?(4/14)
    

何と言っても今回のイチオシはウグイス.良く通る声で鳴いているが,なかなか姿を見ることは出来ない.たまたま近くで鳴いているのを聞いてジッと立ち止まり探してみた.そしてコンデジ10倍ズームで撮影に成功.ウグイスは地味な茶色っぽい色をしている.元来これがウグイス色だが,今ではウグイス色と言えばメジロのようなグリーンを連想することが多い.

写真:ウグイス(4/15)
  
ヘレボルスのサバイバル結果(4/19)
庭では地植えのまま越冬したヘレボがたくさんある.ダメになってしまったものもあれば,無事越冬し新芽が出てきたものもある.植え方が浅かったものは霜で土が持ち上がって根が地上に浮き上がりダメになったのでは,と思っている.昨秋落ち葉布団をかけておいたのだが,地植えにする際は深めにシッカリ植えておかないといけないようだ.

まずは南西コーナーから.すべて他の葉は茶色く変色しているのに緑色した葉があってビックリ.ニゲル・ダブルファンタジーの株.昨年からの葉がまだ保っていたのかと驚いた.残念ながらリビダスともう一つ(何だったか?(^^;)がダメになった.

写真:ブーママさんからの苗(水色1:アトロセルフ),アトロルーベンス購入株,Cactuさんからの苗(ニゲル・ダブルファンタジー)
  

同じく南西コーナー.もしかしたらプルプラセンス(購入株)は新芽が見えず,株が浮き上がっているのでダメになったかも.未練たらしくもうしばらく様子見.種から栽培のパシフィックフロストは赤い新芽が出てきていた.

写真:プルプラセンス(購入株),種から栽培のパシフィックフロスト
 

お次は南東コーナー.南西コーナーとさほど離れていないが,10年前に思いきり開拓した植物植え付け用の場所.原種シクラメン,早春に花を咲かせる黄花カタクリ,プルモナリア類,食用ギボウシなどもこのコーナーに居る.夏は桜,白樺,ミツバツツジが直射日光を遮り,暑さに弱い植物の夏越し用にと作った場所.

2009年3月のラベルでブーママさんから頂いたアトロルーベンス,オドルスの新芽が出ている.種から育てて斑入りじゃなかったパシフィックフロストは枯れたか…と思って株元を見ると赤っぽい小さな新芽が出ていた.無事だったようだ.

写真:アトロルーベンス(ブーママさんからの苗),オドルス(ブーママさんからの苗),斑入りでないパシフィックフロストと新芽
   

同じコーナーのもう一つのパシフィックフロスト(これも種から)は微妙.そしてこのコーナーそばに今回持参したチビ苗置き場を作った.できるだけ土と落ち葉をかけて乾燥防止につとめているが,気温の上がる良い天気が続いたら心配.

写真:もう一つのパシフィックフロストと今回持参したチビ苗
 

そして西北コーナー.桜の木陰になる場所.ただ,夏の日中はわりと日が当たっている.手前に山野草の土を入れトロパのポリフィラムを植えていたが,見事に干からびた.(-_-;) ヘレボはその奥に植えている.このコーナーのやや北寄りの場所がプリムラコーナーとなっている.冬の間に1本細い木が倒れていて処理した.この影響が夏に出るかどうか要注意.

ブーママさんからの株でラベルにSS白とあるものが2株あり,1つは新芽が出ているがもう1つは微妙.Cactuさんからのパーティドレス・ライムイエローは新芽が出かかっている.

写真:ブーママさんからの株でラベルはSS白×2,Cactuさんからの株でパーティドレス・ライムイエロー
  

Cactuさんからの株でDDピンク,DDホワイト,ブーママさんからの株でSS SD白・エンジ(2010/3)は新芽が出てきている.

写真:DDピンク,DDホワイト,
  

Cactuさんからの株でSS SD白・きいろ(2009)は根が浮き上がってきてダメかもしれない.ブーママさんからの株でSS白ピンク(2010/3)は小さな新芽がある.

写真:
 

と全体を見渡すとこんな感じで,それぞれの株には厳しい冬を乗り越えご苦労さんと言いたい.これから春の日をいっぱい浴びて成長してもらおう.気になるのはずっと地植えにしっぱなしでいつ開花するか?ということだが,ここまで来たら慌てず気長に待つことにしよう.

さて,今度は冬を大阪で越して花を咲かせた株の夏越しが課題となる.南東コーナーを耕し,今まで植えてあったものを引越させ領地を明け渡した.早速連れてきた開花株たちを植え込み,敷き藁布団をかけておいた.まずは地に馴染んで根を張ってくれることを願っておこう.
庭:少しずつ春の訪れ(〜4/18)
庭にも着実に春が訪れてきているようで,プリムラコーナーではダブルプリムローズが開花スタート.他の地植え・越冬プリムラ類も徐々にツボミを上げて来ている.玉咲きサクラソウは原村鉢花温室で購入して地植えにした株.

写真:ダブルプリムローズと花のアップ,玉咲きサクラソウ
  

越冬したアコニツム(トリカブト)類も可愛い新芽を出している.

写真:アコニツム類の新芽たち
 

驚いたのはセツブンソウの鉢.まるで放任で夏場はカラカラになっていただろうに,今回来てみると小さな新芽が出ている.今まで放任で越冬・発芽したものはほとんどないだけにちょっとビックリ.

写真:セツブンソウ
 
トロパの様子(画像は4/18撮影)
大阪から連れてきたセシリフォリウムたち.一部は鉢底を地面に埋め込み,一部は地植えにした.花芽の付いている株には支柱を立てて開花を期待.耐寒性は強いので霜や雪は心配ないがどこまで成長してくれるだろうか.イモが出来るかどうかも注目.

写真:セシリフォリウム1003号と花芽
 

写真:鉢底を埋めたセシリフォリウム1006,1009,1012号
  

写真:地植えにしたセシリフォリウムたち


また,speciosum UK1号も地植えにし,この春あらたに発芽してきたspeciosumのチビ苗たちも地植えにした.越冬実験でそのまま地植えにしていたUK2号は見当たらない.まだ目覚めていないのか,それとも根腐れしてしまったか.しばらく様子見.

写真:speciosum UK1号,チビ苗×2
 

大阪から連れてきたレプトフィラムも鉢底を地面に埋めて夏越しをする.どこまで成長してくれるか,花が見られるか,イモが出来るか…課題は多い.

写真:レプトフィラム1,2,3号
  

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