蓼科高原だより:その94(2012/07/27〜08/21)

最高気温31度記録(07/27)
日本全国各地で猛暑日が観測される中,蓼科入り.
午後1時半頃玄関前の温度計を見ると31度.昔は夏を通して最高気温が30度を超えることは無かったが,ここ数年30度を記録することが多くなってきた.前回滞在時も軽井沢では30度超えの日々が数日あったし,それだけ温暖化しているのだろうか.

庭ではカワラナデシコ(ピンク,白)がたくさん咲いていた.暑さに弱いナスタも細々と咲いている.

写真:カワラナデシコ,ナスタ(オレンジ・トロイカ)
  

名残のキンギョソウも開花中.3株並べてあるトロパのfintelmanniiは相変わらず葉ばかり茂っている.

写真:キンギョソウ,fintelmannii
 

前回滞在時に開花スタートしたプリムラ・カピタータもかろうじて開花を続けている.2本あった花茎だが1本はもう花が終わり折れていた.

写真:プリムラ・カピタータと花のアップ
 

夕方から夜にかけて降る雨と日中の強い日射しとで,葉が蒸れてダメになった植物多数.セシリフォリウム1号やペンタフィラムは既に地上部が枯れていたし,ポリフィラムもすっかり地上部が無くなっていた.トロパのmoritzianumか?と思われた株がダメになっていてショック.speciosumはかろうじて葉が付けているがあまり伸びた様子は無い.この暑さでは成長出来ないのだろう.一方,smithiiとfintelmanniiは日陰に鉢を置いていて元気にしている.若干耐暑性が強いようだ.

八ヶ岳薬用植物園(07/31)
久々の快晴で抜けるような青空(青色が濃い)のもと,八ヶ岳薬用植物園へ.相変わらず貸し切り状態でノンビリとランチ・タイムを過ごす.その後園内散策.暑いけれど「これぞ高原の夏」というすがすがしい暑さ.ようやく湿気が抜けてくれた感じがする.

園内ではまずネムノキが満開で目立っていた.大きな木も小さな木もみな見事な花付き.フワフワした花が青空に映えて美しかった.

写真:ネムノキ
 

ハーブ・コーナーではエキナセアやモナルダが満開.

写真:エキナセアと2色のモナルダ
  

白と紺のキキョウも満開,前回来た時に既に咲いていたヘメロカリスも次々と花を咲かせ続けていた.同じく前回が一番見事だったスモークツリーも名残の花が咲いていた.

写真:キキョウ,ヘメロカリス,スモークツリーと八ヶ岳
  

薬草園コーナーではブッドレアがシッポみたいな花を咲かせている.黄色のノコギリソウが開花スタート,そしてオミナエシもたくさん咲いている.オミナエシの右奥に見えているのはオタネニンジンの屋根.日射しを遮り暑さを抑えている.屋根の下ではオタネニンジンが赤い実を付けていた.

写真:ブッドレア,ノコギリソウ,オミナエシ
  

写真:オタネニンジンとその赤い実
 
富士見高原ゆりの里(08/02)
このところ晴れの天気が続いている.午後も夕立無しの日が3日めとなった.知り合いのブログで富士見高原ゆりの里の記事があったので,数年ぶりに行ってみることに.現地に近づくにつれ天気が怪しくなり山の方には暗い雲がかかっていたのでどうしよ…と悩んでいたのだが,駐車場を見るとすごく空いていたので入園することに.以前は入場券を買うのにズラリと行列が出来ていたのだが,この日は全然並ばずに済んだ.

園内に入ってちょっと理由が分かったような気がした.というのも,パンフレットによると「100万本・500万輪のゆりの大合唱」とのことだったが,花は終盤で終わっている花が多い.スキー場なので斜面を利用してのユリ園となっており,上の方(山上展望ゆり園),下の方(ロマンスゆり園),白樺林の方(白樺ゆり園)と各コーナーに分かれている.下の方は特に終わりの花が多かった.以前来た時にはムワーッとむせかえる程のユリの香りがしたのだが,今回はあまり香らない.時々香りの強い個体がある,という程度.

ただ,品種によってはこれからが最盛期のものもある.特に濃い赤のものは7分咲きくらいできれいだった.ゆりの里イベント開催は8月中旬までとのことでもうしばらく楽しめるのだろう.

写真:ロマンスゆり園
  

  

 

ロマンスゆり園をまわった後,白樺ゆり園へ.こちらは早朝撮影会でいつも人気のスポット.霧の中,白樺の白い幹と鮮やかなユリが幻想的な風景を見せてくれるので有名.

写真:白樺ゆり園
  

  

その後リフトに乗って山上展望ゆり園へ.ここは標高1450mだそうな.ゆりの里の施設は1250mとの事で,200m上ったことになる.まずはリフト下りてすぐ隣接の創造の森・彫刻公園の自販機でペットボトルの水をゲットし水分補給.その後ゆっくりとゆり園を見て回った.

写真:山上展望ゆり園
  

  
蓼科湖周辺(08/04)
安定した晴天続きで蓼科湖周辺を散策することに.湖には夏休みとあってボートが数隻浮かんでいる.湖の周囲を一周出来る散策路を歩いてみた.途中水路があり,毎年夏にはバイカモが見られるのだが,今年はまだ全然花が無い.遅れているのか,それともこのまま花が咲かないまま秋を迎えるのか?

写真:蓼科湖とボート乗り場
  

バイカモの見られる水路ではオタカラコウが開花を始めており,さらに進んだ日向の場所ではヒルガオがキレイに咲いていた.モミジが一部紅葉を始めている.朝晩の気温が低いともう紅葉するんだろうか.

写真:オタカラコウ,ヒルガオ,紅葉
  


道を挟んで向こう側にある聖光寺へも行ってみた.ここでは毎年シデシャジンが見られていたのだが,昨年度は何やら祭のようなイベントのためタイミング悪い時期にカットされてしまい,花は見られずじまい.今年はどうだろう?と思っていたところ,無事を確認.根は生きていた模様.まだ開花はしていなかったが花芽を確認することが出来た.
(追記)8/11再度訪れて確認すると無事に開花していた.

写真:シデシャジン,花芽のアップ,開花(8/11)
  

かんてんぱぱガーデン(08/09)
伊那市にあるかんてんぱぱガーデンへ行ってみた.道路をはさんだ広い敷地に本社・工場,ホール,植物細密画博物館,レストラン2軒,そば処,寒天製品を含むお土産ショップなどがある.そのつなぎに山野草コーナーがあったが,何やらオカリナのような笛で演奏が行われておりキンキンする高音が耳について不快だったのでゆっくり見られず,サーッと通り過ぎてしまった.静かに庭を鑑賞したい人には辛い.お仕着せの音楽は要らない.「演奏中」の看板が無かったら文句を言いたいところだった.

そこで道路をはさんで向こう側にある伊那市出身の野村陽子さんの植物細密画博物館へ.道路の横断には歩道橋を使うようになっているので安全.前庭もきれいに整備されている.さすが企業のガーデンだけあり手入れが行き届いている.

細密画は凄いの一言.茎に生える毛1本1本まで丁寧に描かれている.虫眼鏡が置かれたコーナーがあり,それを使って絵を見ると細かいところの隅々まで見えて本当に凄い.描かれている植物は実物大なので大きな植物の絵は大きく,小さなものは小さい.よほど根気と忍耐力のある人でないとこんな仕事は出来ないだろう.

写真:博物館エントランス,博物館内(アントニオ・ガウディのデザインした椅子)
  

博物館前のガーデンではオレンジ色のクロスコミアが咲いており,ふと我が家のはどこへ行った?(以前庭に地植えしたハズだが…)と思い出した.フロックスの奥に見える青ぽいのはサワギキョウ.野菜コーナー?ではオクラの花が咲いていた.青空にノウゼンカズラの花色が映える.

写真:ガーデンの様子
  

  

その後レストランで野菜がゴロゴロ入ったカレーを食べてショップを覗いたが,特に欲しいものが無く何も買わずに帰途についた.
このガーデンはよく整備はされているが難を言えばアップダウンが多く,しかもそれが階段オンリーだということ.スロープでもあれば良いのだろうが,足腰の弱い人には辛いだろうなと思った.う〜みゅ,寒天製品で節々サポートみたいなモンがあったからそれを飲めということか.(^^;
フィオーレ小淵沢(08/10)
一日安定した晴れの天気はこの日までという事で,小淵沢の花パーク(フィオーレ小淵沢)へ.

園内で目立っていたのはミソハギ.湿地帯はそこら中がピンク色.

写真:ミソハギのピンク
 

 

斜面に植えられたアメリカフヨウがポツポツと咲いていた.ダリアも各品種が開花中.

写真:アメリカフヨウ,ダリア
  

ヒマワリも咲き揃い,背の高い品種と矮性品種が植えられていたが,どれも同じ方角を向いているのがコミカルだった.

写真:ヒマワリ
 
原村自然文化園(08/19〜20)
晴天に誘われて原村自然文化園へ.いつもは静かな自然文化園だが夏休みとあって多くの人達で賑わっていた.

湿性花園ではミソハギ,サワギキョウに混じってフジバカマなど夏の終わりから秋を感じさせる花たちが咲いていた.スタッフの方があたりをキョロキョロしながら何やら草を抜いている光景を目撃.何かな?と思って声をかけてみると,オオハンゴンソウ,ブタクサなどを抜いているとのこと.勢力の強いこれらの草は既存の植物を駆逐する恐れがあるのでチェックしておかないといけない.○○ガーデンと謳って整備されたトコと違い自然に草花が咲いているように見えるこのような地でも,このような地道な努力がなされているんだとあらためて思った.

写真:湿性花園の木道,サワギキョウ,フジバカマ(8/19撮影)
  

久しぶりにクサレダマを見た.エンビセンノウの赤はグリーンの中で目立っている.ススキが拡がり標高1300m弱のココは既に秋の光景.

写真:アサマフウロ,エンビセンノウ,クサレダマ(8/19撮影)
  

写真:ススキが拡がる(8/19撮影)


別の場所にある山野草園ではギボウシの他にツリガネニンジンやレンゲショウマと出会った.ここでレンゲショウマを見たのは初めてかもしれない.

写真:ギボウシ,ツリガネニンジン,レンゲショウマ(8/19撮影)
  

翌日8/20もココを散歩したところ,開花しているトリカブトを発見.1日違いでこんなに咲き進まないだろうから,きっと昨日は見落としていたのだろう.8月にトリカブトを見たのは初めてでビックリ.

写真:トリカブト


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