ナスタの仲間たち(Tropaeolum属)−アルゲンティナム
Tropaeolum fintelmannii ssp. olmosense
(トロパエオルム フィンテルマンニー)
 


T.fintelmanniiは茎が赤っぽく発芽当初はsmithiiに雰囲気が似ているが,次第に葉が独特な形になっていく.葉はmoritzianumに似て大型.smithiiなどと同様イモは出来ない.

2011年度秋〜の栽培記録
2011/10
10/03 蓼科にて種まき実施.
種はSRGCメンバーさん(フランス在住)から分けて頂いたもの.(10個)

10/24 蓼科にて発芽確認.

写真:発芽・発根確認(右は発根)
 

10/30 耐寒性が弱いと思われるので発芽した苗と種まきポットを大阪に連れて帰った.ただ,大阪ではマンション大規模修繕のためにベランダに何も置くことが出来ない.マンション指定の植物置き場(南側の狭い通路)にすべての苗を置いている.

発芽した苗はsmithiiに雰囲気が似ている.種まきポットからもう1本発芽を確認.

写真:大阪に連れ帰った苗と発芽確認したもの
 
2011/11  11/03 大阪でさらに3本発芽を確認.先に発芽していた2株はスリットポットに植え替え,発芽したものはポリポットに鉢上げ.

写真:1101号,1102号,種まきポットからの発芽
  

写真:あらたに発芽した3本をポット上げ(1103〜1105号)
  

11/07 蓼科へ向かう直前の様子.1103から1105号もしっかり葉が展開してきた.植物置き場は南に面しているがすぐ前には大きな樹木があり,木漏れ日が当たる程度.画像ではペットボトル給水器が見えているが,これらのチビ苗には給水は不要.いつ見てもカラカラには乾いていない.水切れの心配が無いのは不在時に助かる.ある意味良い環境と言えるだろう.

写真:1101,1102,1103号
  

写真:1104,1105号
 

11/26 蓼科から帰ってきて苗のチェック.どの株も元気で一安心.1101号と1102号はかなり茎が伸びていて支柱が必要になってきた.

写真:1101〜1105号
    

写真:1101号と1102号
 2011/12 12/02 ようやくマンション大規模工事も大詰めで南側ベランダが使えるようになった.それでマンション戸外の植物置き場から鉢を移動し,茎が伸びてきた株の支柱立てを実施.まだそんなに伸びていない1105号はそのままにしている.

写真:1101,1102号
 

写真:1105号


12/04 1103,1104号も茎が伸びてきたので支柱立て.

写真:1103,1104号
 

12/08 1101号に花芽らしきものを発見.全ての鉢は無加温ビニール温室内で過ごしている.

写真:1101号
 

12/18 1101号に続き1102号にも花芽を発見.

写真:1101号
 

写真:1102号
  

写真:1103,1104,1105号
  

12/28 現在の様子.1102号の花芽に小さな距が見えてきた.

写真:1101,1105号
 

写真:1102号と花芽
 

写真:1103,1104,1105号
  

12/30 1105号にも支柱立て.

写真:1105号
2012/01  01/16 1102号の花芽がふくらんできた.それとともに距が赤く色づいてきた.花芽の先端が割れてきており開花までもうすぐ.

写真:1102号(1/5,6,7撮影)
   

写真:1102号(1/9,10,12撮影)
  

写真:1102号(1/13,14,15撮影)
  

写真:1102号(1/16撮影)


01/19 1102号が1/18にようやく開花.距は真っ赤で1センチちょっと.花の直径は5ミリと小さい.18日は穏やかな陽気で暖かく,午後にベランダに出たらアズレウムの甘い香りが漂っていた.このfintelmanniiは香りがするのだろうか?

写真:1102号(1/18撮影)
   

19日になり花はさらに開いた.花弁のフチがギザギザで,moritzianumやsmithiiに雰囲気が似ている.この株は無加温ビニール温室で過ごしているが,19日は天気が悪く撮影時にフタを開けたのみで後は閉めている.

写真:1102号(1/19撮影)
  

01/22 現在の様子.1101号の花芽も育っている.

写真:1101号とその花芽
 

写真:1102号と2番花,3番花の花芽
  

写真:1103号,1104号
  

写真:1105号
 2012/02 02/01 現在の様子.気温が低い日が続き,あまり変化は見られない.1102号の一番花はまだ健在,二番花はまだ咲いていない.

写真:1102号
   

02/11 現在の様子.2月に入り最低気温マイナス4度を記録した日があった.さすがに低温続きだと耐寒性のない品種はダメージが大きい.成長が遅めの1103,1105号の茎が萎れてしまい,昨日から夜は室内に取り込んでいる.他の株はまだ大丈夫そうなので引き続きベランダの無加温ビニール温室内で過ごしてもらっている.花芽を付ける位成長した株は耐寒性(体力?)があるようだ.

1102号の一番花が終わり,次の開花が待たれる.開花中,子房の緑が大きくなり種が出来たかと思ったがやはり無理だった.

写真:1101号とその花芽,1104号
  

写真:1102号,終わった花,花芽
  

写真:夜間室内組の1103号と萎れた茎の見える1105号
 

02/19 現在の様子.今朝もマイナス3度を記録,この冬は厳しい寒さ続きになっている.

1101号は花芽の距が色づいて来て開花が近づいてきた.

写真:1101号
 

1102号は1番花が終わり,2番花が開花中,3番花も開花しかけている.

写真:1102号
  

寒さでやられかけていた1103,1105号は室内に入れて復活.室内だと徒長気味になるので今日から無加温ビニール温室へ復帰.

写真:1103,1104,1105号
  

02/28 現在の様子.(画像は2/26現在) 1102号に続いて1101号も開花スタート.

写真:1101号
  

1102号も引き続き開花中.2番,3番,4番花と順次開花が進んでいる.

写真:1102号
 

写真:1103,1104号
 

寒さに弱い1105号,また茎の先端が萎れてしまった.いったん夜間室内から卒業したが28日朝はマイナスの冷え込み予想だったので再び室内へ.なんとか寒い時期を乗り切ってもらいたい.

写真:1105号
 
2012/03  03/05 現在の様子.1101,1102号が開花中. 3月に入り暖かい日が出て来て寒さに震えていた1104号,1105号は元気復活.葉色も良くなってきた.現在は夜間も無加温ビニール温室内で過ごしている.

写真:1101号
 

写真:1102号
 

写真:1103,1104,1105号
  

03/10 現在の様子.1101,1102号は開花中で茎は既に支柱の上まで到達している.1104号もだいぶん良い形になってきた.1103号と1105号はまだまだチビだが,暖かくなって調子が良くなってきた.

写真:1101,1102,1103号
  

写真:1104,1105号
 

03/18 現在の様子.1101号と1102号は花が少しずつ増えてきた.1101号では小さな種が出来ているが今後成長するだろうか.

写真:1101号と小さな種
 

写真:1102号と花
 

1104号の葉がずいぶん茂ってきた.

写真:1103,1104,1105号
  

03/25 開花株の現在の様子.

写真:1101,1102号
 
2012/04  04/05 現在の様子.すべての株は南ベランダ在住.1101号と1102号は花が増えてきた.一番早くから咲いていた1102号の葉色が悪くなってきたのが気になる.

写真:1101号
 

写真:1102号
 

写真:1103,1105号
 

1104号はやたら葉がでかい.開花中の1102号と並べてみた.葉の大きさが倍ほど違う.(^^; 1104号には小さな小さな花芽が付いている.花はまだ先だろう.

写真:1104号,1104号と1102号比較
 

04/06〜11 4/6に種まきポットから1つ発芽の気配を発見,4/11に発芽.1106号とする.

写真:発芽しかけ(4/6),無事発芽(4/11)
 

04/12 蓼科へ行く朝,北バルコニーに置いた株をチェック.

写真:1104,1105,1103,1101号
   

04/21 帰阪して北バルコニーの株をチェック.

写真:1104,1105,1103,1101号
   

発芽したてで北バルコニー滞在だった1106号も無事に成長している.

写真:1106号


04/23 数日後の再度蓼科行きに備え,北バルコニーに置いていた株をすべて南ベランダへ移動.今回はすべての株を蓼科へ連れて行くため梱包準備を兼ねて記念撮影.

写真:1101,1103,1104,1105号
   

前の蓼科行きで不在中,南ベランダで過ごしていた1102号.満開状態になっており一部小さな種も見られる.発芽可能な種に成長してくれると良いのだが.

写真:1102号
  

04/26 蓼科にやってきたfintelmanniiたち.こちらで夏越しするがいつまで株がもってくれるだろうか.

写真:1101号と花
 

写真:1102,1103,1105号
  

写真:1104号と花
  

04/27 葉色が悪くなっていた1102号を一回り大きな鉢に移植.支柱を付けたままの強制移植だった.ちょうどミツバツツジが開花し,クマバチがたくさん訪れていてfintelmanniiにも寄ってくれてお仕事してくれた.1101,1102号ともに鉢底を土に少し埋めて夏越し準備完了.

写真:1101号,1102号とその花に訪れたクマバチ
   

また,1103〜1105号は前年smithii用にしていたオベリスクを利用し,こちらも鉢底を土に少し埋めて夏越し準備完了.

写真:1103,1104,1105号と並んでいる全景
   
2012/05  05/01 現在の様子.花は終盤.

写真:1101,1102号
 

05/07 現在の様子.1102号にたくさん種が出来かけている.クマバチのおかげかも.

写真:1101,1102号と種
  
2012/06  06/01 6月に入り日陰に鉢底を埋めてオベリスクを建てた株では葉が多くなってきた.まだ花芽は見られない.

写真:3株オベリスク仕立てにしたもの
  

06/12 まだどの株も元気にしている.今年初めての夏になるので,気温が上がって株の状態がどうなるか興味津々.

写真:1101,1102号
 

写真:オベリスク3兄弟(と命名)
  
2012/07  07/05 1101号と1102号はやたら茎を伸ばし背後の樹木に絡みついている.オベリスク仕立ての3株も茎を互いに伸ばして絡み合い,ほどくのが至難の業となってしまったのでそのままにしている.相変わらず花芽は無し.

写真:1101,1102号,オベリスク3兄弟
  

07/12 見るに見かねて1101号は茎を樹木から外して整理.ただ,1102号の方は派手に茎を伸ばしているもので,どこまで行くかコワイ物みたさ?もあってそのままに.オベリスク3兄弟はさらに葉が茂ってきている.

写真:1101,1102号,オベリスク3兄弟
  
 2012/08 08/20 現在の様子.1102号はさらに茎が伸びて収拾が付かない.その分根元がスカスカになってきている.

写真:1101号,1102号,オベリスク3兄弟
  
 2012/09 09/15 オベリスク仕立てにしていた3株の茂った葉の整理を9/6に実施.茎が伸びすぎて収集がつかず.結局葉の無い株が3つ出来た.果たして生き延びられるのだろうか.1103号株は元置いていた場所に,そして残り2株(1104,1105号)は日当たりの良い場所へ移動.挿し芽少々.

写真:1101号,1103号,挿し芽
  

09/12 自家採種の種を種まき.種の大きい「大グループ(20粒)」と小さい「小グループ(48粒)」に分けて種まき実施.オリジナルの種親さんは見た目の悪い貧相な種の方が発芽率が良かったという.それを聞いていたので我が家でも実験.

09/24 大阪でfintelmanniiが1本発芽しているのを確認.8月末に発芽を確認していたのだが,最初はsmithiiかと思っていた.ポット上げするかどうか迷ったが,暑い日が続いていたのでこのままにしておくことにする.留守時に備えてペットボトル給水装置をセットしておいた.

写真:大鉢から出て来たfintelmannii
2012/10  10/05 蓼科入りして早速種まきポットをチェック,発芽を確認.

写真:発芽した苗


先月株整理した1103〜1105号は見事に枯れてしまった.やはり葉の無い状態では無理だったようだ.代わりに挿し芽は無事だった.どうやら発根した模様.そして驚いたのは株整理でバッサリ切った茎をそのまま放置しておいたら葉が青々していたこと.これも勝手に挿し芽状態になったようで,発根している模様.

写真:枯れた1103号,挿し芽,捨てて置いたものから復活
  

1101号はまずまず元気.1102号はやたら先端部ばかり葉が茂り,後ろの木に伝いながらどんどん伸びて茎は数メートルになっている模様.株元はスカスカなのでこの株は持って帰るのは諦めよう.

写真:1101号
 

10/10 発芽した苗のポット上げ実施.「大グループ」からは4本,「小グループ」からは2本で合計6本の発芽だった.

写真:ポット上げしたチビ苗


という事で,今季はあらたに発芽した株をメインにしてスタートを切る.同じ繰り返しになるのでfintelmanniiの記録はこれにて終了する.
【fintelmanniiまとめ】

温度さえ保てれば通年生育可能.最低気温は5度以上が望ましいがマイナス4度で無加温ビニール温室(南向きベランダ)で越冬した.

最高気温は25度くらいまでではないかと思われる.我が家ではすべて蓼科に連れて来たのでそれ以上の気温は経験しておらず,実際のところ(どれくらいで枯れるか)は不明.

9〜10月に種まき→10〜11月に発芽 / 翌年発芽するものもある

イモは出来ないので枯れたらそれで終わりだが,挿し芽で更新することが可能.自家採種のものから発芽OK.

開花は主に春だが早ければ冬からも咲く.秋にも咲くかもしれないと思っていたが,蓼科では咲かなかった.日照が充分な地方ではどうだろうか?