蓼科高原だより:その101(2013/07/11〜07/28)

早すぎた梅雨明け(07/11〜13)
関東甲信地方は6/11に梅雨明け.平年より15日早い梅雨明けとなった.その直後に真夏日が続いたものだから,植物たちにはたまったものではない.留守中の最高気温は30度.梅雨の湿度がそのままで気温もこれだけ高くなるとダメージを受けて当然.

今年こそ遮光ネットを張って何とか暑さをしのでもらおうと思っていたのに,意気込みも虚しくあえなくポリフィラムたちは干からびてしまっていた.たった1本だけ干からびかけのが残っていたので一応遮光ネットを張ってみたが時既に遅し.7/13にはさらに干からびてきたので思いきってイモを掘り上げポットに上げて別の場所へ移してみた.蓼科でいつも冬越ししていたが,今度は大阪に連れ帰って冬越ししてみようと思う.

遮光ネットはそのままにしている.というのも,そのコーナーにはレウィシアやこの春植えたチシマキンバイ,アカネキンバイ,アポイアズマギク,千島ルリオダマキが居る.無事に夏を越してくれると良いのだが.

写真:遅ればせながらの遮光ネット

庭のトロパたち(07/11〜13)
トロパに関しては留守番組と今回大阪から連れてきた組がある.

まずは留守番組から.
メインコーナーの中央に鉢を置いておいたtuberosumは元気に葉を茂らせていた.相変わらず花芽は無し.前回掘り上げてポット植えにし日陰に置いているspeciousmはかろうじて生きている感じ.polyphyllumは先に書いたように干からびかけている.

写真:tuberosum,speciosum,干からびかけのpolyphyllum
  

前回連れてきた謎の発芽(moritzianumか?)は元気にしていて一安心.地植えにしていたmoritzianumは2つ花が咲いていた.

写真:moritzianumと花
 

地上部が無くなっているもののイモチェック.sessilifoliumは無事,pentaphyllumの1株は地上部は無いがイモから新芽が出ていた.そのうち地上に顔を出してくれるだろう.大株のpenptaphyllumの鉢を引っ繰り返してみると大きなイモの皮(!)が出て来た.それと共にチビイモも.道理で地上部が枯れたハズだ.地上部は枯れたけど,次の世代(チビイモ)にバトンタッチ出来て良かった.うまく発芽してくれると良いのだが.


写真:sessilifolium,pentaphyllum,腐った大イモとチビイモのpentaphyllum
  

大阪から連れてきた組の1つ,huigrenseは涼しい環境に来て喜んでいるように見える.葉の色が見違えるほど良くなってきた.

写真:huigrense


八ヶ岳薬用植物園(07/15)
連休最終日,本来なら月曜は休園日だが祝日は開園とのことで八ヶ岳薬用植物園へ行ってみた.日中は暑くなりそうなので朝一番に到着.曇りがちな毎日だったがこの日は良い天気で青空がのぞめた.

写真:園内光景(右の建物が温室,温室前はハーブガーデン)
 

温室脇のラベンダーが満開,蜂さんたちが飛び交っていた.オレガノも満開,エキナセアも咲き揃っている.

写真:ラベンダー,オレガノ,エキナセア
  

薬草園の方ではオミナエシの黄色とデルフィニウムのブルーが鮮やか.ヒソップは盛りをやや過ぎた感じ.

写真:オミナエシ,デルフィニウム,ヒソップ
  

キンシバイがたくさん開花中.トウゴマも開花,カリンは青い実が成っていた.

写真:キンシバイ,トウゴマ,カリンの実
  

スモークツリーは満開を過ぎ,強い風が吹くたびにモワモワした固まりがフンワカと空を舞っていた.

写真:園内のスモークツリー
 

園内の日当たりの良い一角ではネジバナの群生を発見.花の咲き具合,スパイラル具合,2本一緒に仲良く咲いているもの等,いろいろあって楽しい.

写真:ネジバナがいっぱい
   


温室内を覗いて驚いたのは月桃の花.月桃の株はどんどん大型化しており,葉の一部が天井(遮光ネット)に到達している.沖縄でないと見られない花が身近で見られて感動.こんな花が咲くんだ〜と思いながら香りを確かめたが,早い時間帯でまだ涼しかったためか香りは確認出来なかった.ちょっと残念.

写真:月桃と花のアップ
 
ミヨシペレニアルガーデン(07/15)
八ヶ岳薬用植物園の帰り道,ついでにミヨシペレニアルガーデンに寄ってみた.ここのガーデンにはいったい何種類の花があるんだろう?と思うほど多くの花が咲いていたが,特にいろんな色のヘメロカリスが目立っていた.

写真:ヘメロカリスいろいろ
  

  



写真:ガーデン内光景
 

 
霧ヶ峰高原・八島湿原(07/18)
ここ数年鹿の食害のせいで花付きが悪くなっていたニッコウキスゲ.今年は回復したようで花がキレイと聞き,行ってみることに.車山高原周辺はちょうど見頃で山のてっぺんがニッコウキスゲの黄色で染まっていた.その分,駐車場は混雑していたのでスルーして霧ヶ峰高原のパーキングまで行った.数年ぶりの散策路を歩くと植物名が書かれた名札が整備されており,保護柵の中でニッコウキスゲやイブキトラノオなどが咲いており,散策路脇にはハクサンフウロ,ノアザミ,カラマツソウ,ヨツバヒヨドリなどが咲いていた.

写真:保護柵,ニッコウキスゲ,
 

写真:イブキトラノオ,カラマツソウ,ヨツバヒヨドリ
  

写真:蝶に大人気のノアザミ
  

途中まで歩いたところで急に冷たい風が吹き始め,空が暗くなってきたので慌てて駐車場まで引き返した.山の天気は急変するからこわい.雨に遭わずに済んで良かったが,八島湿原へ向かって車を走らせている最中,一部霧の中を走っていた.雲の流れは速く,サーッと雲が通り過ぎた後は晴れてきた.この調子だったら散策路でも雨が降るのではなく霧の中だったかもしれない.

八島湿原でも散策路を歩き,ここでも天気が不安で途中で引き返してきたが霧ヶ峰と同じような花たちが咲いていた.

写真:八島湿原光景,ニッコウキスゲ
 

写真:ヤマオダマキ,ノハナショウブ
 
アサギマダラに遭遇(07/21)
朝の散歩の帰り道,自宅のすぐ近所でアサギマダラに遭遇.ヒラヒラと舞いながら垣根のイチイにとまったところを撮影.

写真:アサギマダラ
  
原村自然文化園(07/25)
原村の自然文化園へ行ってみるとコオニユリがあちこちで見られた.緑の中でオレンジ色はすごく目立つ.湿性花園ではクサレダマが群生,サワギキョウが咲き始め,ギボウシも咲き始めだった.シッポ状のオカトラノオの群生が見事で,ここでもホタルブクロが見られた.

写真:あちこちで咲いていたコオニユリ,サワギキョウ,クサレダマ
   

写真:ギボウシ,ヤマハハコ,アザミ,チダケサシ
   

写真:オカトラノオ(バックは群生),フジバカマ,ヤマホタルブクロ
  

ウバユリ当たり年?(07/25)
今年は散歩していてよくウバユリを目にする.当たり年だったのだろうか.

写真:ウバユリ:花芽から開花まで
   

写真:遊歩道と並んだウバユリ,開花時間差攻撃?
 

富士見高原花の里(07/26)
今までは富士見高原「ゆりの里」だったが,今年からは「花の里」に改名し,他の花も導入された模様.入り口から山の裾野まで下りるまでの場所に今まではすべてユリが植えられていたところ,今年は上段に百日草がズラリと並びまるで百日草畑のようだった.下段は今までどおりユリのコーナーになっている.整然と手入れされており,以前は自生のコオニユリが見られたのにそれが一切なかったのが寂しかった.

写真:百日草
 

  

写真:ユリ
  

 

下まで下りきったら今度は横へ入ったところが白樺ユリ園となっており,白樺を背景に手前にユリが配置されて素人カメラマンに人気のスポットとなっている.岩の上で咲いていたド根性ユリは人気者?で,みな立ち止まってシャッターを切っていた.

写真:白樺ユリ園
  

 

白樺ユリ園をぐるっと回って今度はリフトを乗り継いで山の上部へと向かう.昔は急斜面いっぱいにユリが植えられていたのだが,斜面は草原となっており,ユリは柵で囲まれた比較的フラットな場所へすべて移動されていた.こちらは花が終わったのか,まだなのか,今年は花芽が付かなかったのか,まばらにしか花が咲いていなかった.

ここでは他の植物たち…アザミ,ヤマホタルブクロ,ギボウシ,タイムなどが見られた.

写真:山頂ユリ園
 

  

リフトで入園したところまで下りて,販売コーナーのやたら草丈の低いユリを眺めて花の里を後にした.

写真:草丈の低いユリ
 

フィオーレ小淵沢:花パーク(07/26)
花の里の帰りに今回の滞在で初めてフィオーレ花パークへ入園.湿地帯ではピンク,ピンク,ピンク…とミソハギの群落が凄かった.

写真:ミソハギ
  

夏定番のヒマワリはまだこれからといった感じ.

写真:ヒマワリ
 

品種の多いダリアは見頃のものとこれからのものがある.

写真:ダリア・コーナー
  

花パーク内は日光を遮るところがほとんど無く炎天下を歩くことになる.汗だくになりながら歩いている目には,風に吹かれるラベンダーはとても涼しげに見える.

写真:フィオーレ園内の光景,ラベンダーが満開
 

日中30度くらいになるのでナスタチウムには辛い気候.それでも花を咲かせているのは朝晩の気温が涼しいからだろう.

写真:暑さが辛いナスタチウム,フロックス満開
 

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