蓼科高原だより:その64(2008/09/09〜08/09/22)

近所の植物たち(09/11)
09/09に蓼科入りしました.留守中の気温を見ると,最低10度・最高27度となっていました.最低気温が10度まで下がっていたのにはビックリです.前日まで大阪ではクーラーをつけていたのに,この日は夜暖房を入れることになりました.夕方になるとグッと気温が下がります.最低気温が20度以上ある大阪から来た身には,気温が18度を割ると肌寒く感じてしまいます.

翌日散歩に出かけたら,あちらこちらでツリフネソウ・キツリフネの群落を目にしました.前回も見かけていたのですが,今回は花の量が違います.圧倒的多数で秋の花なんだなぁと実感させられました.

写真:ツリフネソウ・キツリフネの群落,キツリフネ
  

また,キノコも所々で出ていました.中には横にクリが転がっているものがあったりして…これも秋の風情です.

写真:キノコ
  

原村では面白い形の花を見つけました.今まで気づかなかった花です.調べたら「コメナモミ」と判明.花の周囲にカザグルマみたいな羽がありますが,これはガクではなく葉.この葉にはいっぱいとげのような毛が生えています.キク科の花で,この妙な葉のおかげで目にとまります.

写真:コメナモミ
 
蓼科在住トロパの状態(09/11)
気になっていたインシスムですが,ついに生き残りは1株だけになってしまいました.他はみな地上部が消えています.speciosumも健在でしたがあまり成長していません.夏に咲く花なので今シーズンも開花は望めそうにありません.立派な根茎だったのに残念.

写真:インシスム2号
 
蓼科ハーバルノート(09/11)
のんびり散歩で蓼科ハーバルノートまで歩いて行きました.途中,あちこちで寄り道(写真撮影)して片道30分以上かかり到着.看板ネコのわさびちゃんが「にゃ〜,にゃ〜」と鳴きながら通り過ぎていきました.「どうしたの?」と声をかけても「にゃ〜,にゃ〜」,手を伸ばして触れようとするとスルリと逃げてしまう…で,スタッフにお話を聞くと「この頃いつも何か訴えたそうに鳴いてます.遊んで欲しいのかなと思ってもそうではないみたい.」とのこと.ん〜,何が言いたいのでしょう…?ほどなくしてお父さんのすぎな君登場,こちらは触られても平気な子なので少し触りましたが,すぐどこかへ行ってしまいました.遊んでいたらすぎな君の写真は撮れませんでした.(^^;

写真:わさびちゃん


お店の横ではスタッフがセッセとワレモコウをカットし大鍋へ入れておられました.スタッフの一人が自宅で栽培していたものをお店に持参されたそうで,染めに使うそうです.ワレモコウは暗い紅色の花ですが,染め上がりはグレイッシュな色になるとか.ワレモコウ染めは珍しいそうです.そういえばお店の中にワレモコウ染めの商品がありました.スカーフ,セーターなどどれも素敵な仕上がりですが,とても高価で手が出ません….(~_~;)

写真:ワレモコウ染めの準備,大鍋のワレモコウとそのアップ
  

八ヶ岳薬用植物園(09/14)
予報では雨のハズだったのに昨夜少し雨が降っただけで朝は曇り空.次第に晴れてきたので休日の穴場・八ヶ岳薬用植物園へ向かいました.エコーラインはちょうど縄文マラソン実施で通行止め区間なので,のんびり17号を走ることに.

薬用植物園に到着当初はやや曇りがちでしたが,次第に晴れてきました.日射しがあると日向は暑いですが,一歩日陰に入ると涼しいので助かります.園内ではいろいろと秋の花が咲いていました.

写真:シオン,フジバカマ,サラシナショウマ
  

写真:オミナエシ(黄色)とオトコエシ(白)


何より感動したのはクコの花と実が同時に見られたことです.(^^)

写真:クコの花と実
  

ナツハゼの葉が真っ赤になっており,実が黒っぽく色づいていました.

写真:ナツハゼとその実
 

もう一つ感動したのはモミジガサの花.これは初めて見ました.面白い形をした白い花です.(^o^)

写真:モミジガサの群落と花のアップ
  

園内あちこちにペットボトル製の蜂トラップ(ハチ駆除用)が仕掛けられていました.中には蜂が数匹入っていましたが,そんなに大きなものは無かったような….今年もまたスズメバチの季節です.

写真:蜂トラップ


ハーブコーナーでは藍染めで用いられるアイの花が花穂を上げていて,赤い色が目立っていました.

写真:アイ

原村自然文化園(09/16)
昨夜雨が降っていましたが朝には上がり,昼前には晴れてきました.そこで原村自然文化園へ行ってみました.

園内には秋の草花たちがいろいろ咲いていました.ここでも青のトリカブトが目立っていました.また,赤い花の群落があり,調べるとこれはエンビセンノウと判明.これもかなり目立っていました.

写真:トリカブト
 

写真:エンビセンノウ群落と花のアップ
 

他に秋の花代表のマツムシソウ,フジバカマ,フウロソウ仲間,アキノキリンソウ,アザミに似ているタムラソウ,ミズヒキなどが咲いていました.

写真:マツムシソウ,フジバカマ,フウロソウ仲間
  

写真:アキノキリンソウ,タムラソウ,ミズヒキ
  

ウチの近所でよく見かけるのはピンクがかった白花のミゾソバですが,ここでは赤花のミゾソバが見られました.可愛い花なのに「ハキダメギク」なんて気の毒な名前をつけられたキクが咲いています.また,ヤマハハコのカサカサした感じの花が咲いていました.

写真:ミゾソバ,ハキダメギク,ヤマハハコ
  

自然文化園へ通じる道すがら,ナギナタコウジュの花を発見.花が片側を向いていて面白い咲き方です.

写真:ナギナタコウジュ


秋の霧ヶ峰高原〜八島湿原(09/17)
お天気のうちにと霧ヶ峰高原まで行ってみました.さすがに夏の賑わいは無く,駐車場も空いています.いつも歩くコースをまわってみると,植物の名札がやたら目に付くようになっていました.ここでもマツムシソウ,トリカブト,アキノキリンソウ,ワレモコウ,ヤマハハコ…と秋の草花が勢揃いです.やはりトリカブトは青なので目立ちます. またあちこちでヤマラッキョウを見かけました.ヤマホタルブクロはもうおしまいで名残の花です.別名トトキのツリガネニンジンも咲いていました.時折フウロソウ仲間(ハクサンフウロ?)の花を見かけましたが,中には葉がもう紅葉しているものもありました.

写真:トリカブト,アキノキリンソウ,ヤマラッキョウ
  

写真:ヤマホタルブクロ,ツリガネニンジン,ノコギリソウ
  

写真:フウロソウ仲間(ハクサンフウロか?)


一通り回った後で八島湿原まで車で移動し,初めて湿原の周囲を一周しました.こちらの駐車場は結構混んでいました.観光バスが数台来ていて湿原内は喧噪の中でした.(-_-;) それを避けるべくセッセと歩いていたらスタート地点よりかなり歩いているのに気づきました.引き返すか,一周するかで悩んだ後一周することに決定.そのおかげでトリカブトの群生に出会ったり,サラシナショウマが風に揺られる風景を眺めたりと得るところも多かったです.一周したところで約4キロなのでたいした事は無いのですが,夏の暑い時期だと大変だったろうと思います.涼しい秋で良かった〜.(^^; こちらでも花たちに植物名の書いた名札が立てられていました.

写真:八島湿原




写真:マツムシソウ,ヤマハハコ,フウロソウ仲間(アサマフウロ?)の紅葉
  

写真:カワラナデシコ,アキノキリンソウ,タムラソウ
  

写真:サラシナショウマと花のアップ
  

写真:トリカブト
  
近所で出会った植物たち(09/19)

今回滞在中に出会った植物たちです.

雑木林の中で出会ったのは,葉っぱの先端だけがビュンと長く突き出たカメバヒキオコシ.確かに葉っぱを見ると亀みたい.(^o^) それとチヂミザサは葉が縮んでいるように波打っていて群生していると面白い風景です.ダイコンソウは花が終わって独特の形の実がなっていました.

写真:カメバヒキオコシ,チヂミザサ,ダイコンソウの実
  

ミゾソバは小さな花でつぼみがピンクです.これも湿ったところで群生しています.ツリフネソウと言えばピンクか黄色ですが,白っぽい株を見つけました.ピンク花の色が抜けたような感じです.突然変異かな.

写真:ミゾソバ,ツリフネソウ,白っぽいツリフネソウ
  

秋と言えばキク科の花があちこちで見られます.…が,なかなか種類が分かりません.(~_~;) とりあえずこれはユウガギク.ナナカマドは実が赤く色づいていましたが,葉の方はまだ紅葉していませんでした.

写真:ユウガギク,クサコアカソ,ナナカマドの赤い実
  

ヨツバハギは咲き始めは赤紫色の花ですが,終わりになると青く色が変化するそうです.道理で複雑な色合いです.

写真:ヨツバハギ,クサフジ,カラフネソウ
  

テンナンショウの実はまだ緑色です.これから次第に赤へと色づいていきます.

写真:テンナンショウの実,シシウド,ミズヒキ
  

散歩しているとトンボがたくさん飛んでいます.近所で初めてトリカブトを見つけましたが,なんとせせらぎの護岸(人工物)から生えている「ド根性トリカブト」でした.

写真:アザミ&ワレモコウにとまる赤トンボ,トリカブト
  

野鳥たち−シジュウカラの水浴びとアカゲラ(09/19)
ベランダに浅いお皿を置いています.時折野鳥が訪れてそこで水を飲んだり水浴びしたりしています.久しぶりに見ていると,シジュウカラ,コガラ,ヤマガラらが来ていました.網戸越しに撮影です.

写真:シジュウカラの水浴び(09/12撮影)
  

コンコンコンと鋭い音がするので上を見上げると,シラカバの木にアカゲラがとまっており,木をつついていました.ズーム撮影で画像が荒いですが….

写真:アカゲラ(09/16撮影)
 

庭の植物たち(09/19)
数年前から庭の住人となっているセンブリ.今年も出てきてくれました.まだつぼみがかたいので滞在中に花は見られないかもしれませんが….春に地植えにしたエリカ・ギスレイン.園芸店で買った時にはわっさわっさと花が咲いていたのに今回はショボショボ.まぁ,こんなもんかな.(^^;

写真:センブリ,エリカ・ギスレイン
 

トロパ仲間のT.incisumとT.speciosumは無事生きていました.これからは成長が望めないのでT.incisumはポット植えなのでもっと涼しくなってから大阪に連れて帰る予定です.T.speciosumに関しては掘り上げようか,このまま置いておこうか思案中です.

写真:T.incisumとspeciosum
 

食用キノコ(09/19)
obiさんから数度に渡り頂いた食用のキノコたち.タマゴタケは白い卵の殻からニョキッとキノコが出ている様子が面白いです.ただ,傘の鮮やかな色にはちょっと引く物があり,食べるのには勇気が必要?でした.(^^; 

写真:ショウゲンジ(コムソウ)と食用ホオズキ,クリフウセンダケ,タマゴタケ
  

フィオーレ小淵沢のアサギマダラ(09/20)
秋の花を愛でにフィオーレ小淵沢へ行ってみました.入場料を払う所で「開花マップ」を頂きました.いつもこれを頼りに園内を歩きます.今回はオミナエシ,フジバカマの箇所がメインです.もちろん,ダリアもまだ頑張って咲いていましたし,コスモスもきれいだったし,シュウメイギクも見頃でした.インパチェンスも色とりどりで鮮やかでしたが,やはり今回の目的はフジバカマです.というか,フジバカマに寄ってくるアサギマダラの方が目的かな.(^.^)

最初はなかなかアサギマダラに会えませんでしたが,しばらくすると…いるわ,いるわ,次々とアサギマダラが見えてきました.ふわ〜り,ふわ〜りと舞う姿は優雅そのもの.見とれながらもシャッターを切っていました.美しいアサギマダラに会えて満足の一日でした.(^^)

写真:手前の黄色がオミナエシ,奥がフジバカマ


写真:フジバカマとアサギマダラ
  

「蓼科高原だより」に戻る