蓼科高原だより:その95(2012/09/02〜09/22)

庭の花たち(09/05)
今年の夏は暑かった.それでも朝晩は涼しくなり,蓼科では朝の気温が15〜18度.日中は天気が悪いと25度に到達しない.そして日暮れが早くなり秋の気配を感じる.

庭ではアルパイン・スカビオサが開花中.やたら背が高く不安定な感じがする.普通のマツムシソウくらいかと思っていたらこれが誤算で草丈は1m以上.
日野春ハーブガーデンで購入した苗だが,カタログで確認してみると花色が「淡い黄色」となっていた.ウチで咲いているのは白っぽい.今咲いているのは一番花だから次の花がどうなるか,興味津々.

また,クサボタンがうっそうと茂り開花中.倒れながら咲いている枝は後で整理した.くるりんと反り返る花弁が特徴.一番目立つ色なのがダイアンサスダイ(スープラクリムゾン).暑い時期は花を休んでいたが,再び咲き始めた.

写真:アルパイン・スカビオサ,クサボタン,ダイアンサスダイ(スープラクリムゾン)
  

セダムも先月から開花を続けている.セダム・バートラム・アンダーソン(Sedum 'Bertram Anderson') という長い名前で,これも日野春で購入した苗を地植えにしたもの.地面に這いつくばるように枝を拡げて開花中.同じく日野春組でアガスタキ・クローブドロッター(Agastache pallida−hybr‘Globetrotter’ )も先月から開花中.そして原村の鉢花温室で入手したカンパニュラ・サムベルもまた開花が始まった.

写真:セダム・バートラム・アンダーソン,アガスタキ・クローブドロッター
  
近所の花(〜09/09)
散歩中に近所で出会った花たち.ついに近所でもトリカブトが咲き始めていた.ツリフネソウがたくさん咲いている中,花芽が付いているのを見つけたところ,蜂が飛んできて咲いている花に行ったので開花を発見した次第.蜂さんに感謝!

写真:トリカブト
 

初めて見たのがツルニンジン.2株それぞれ別の場所に自生しており,1株はかなり大株になっている.比較的大きな花がブラブラとつり下がっている光景はユーモラス.ただ,この大株は遊歩道から少し離れているのでズーム撮影.もう1株は触れる場所にあるので中を覗いて記念撮影出来た.

写真:ツルニンジン
  

あちこちで見かけるのが白い繊細な花が美しいシラネセンキュウ.たいがい草丈は1m以上でスラリとした草姿だが,撮影したのはチビ株で咲いていたため,遊歩道から見下ろして撮影したもの.シキンカラマツは前回滞在時に別の場所で開花を見かけたが,今回も開花中の株に出会った.

写真:シラネセンキュウ,シキンカラマツと花のアップ
  

原村自然文化園(09/09)
縄文マラソンが実施されるこの日,いつも原村へ行く道路が閉鎖されるので迂回ルートで自然文化園へ.静かに湿性花園を散策…と思っていたら,休日とあって朝早くから家族連れが来ていて賑やかだった.

湿性花園では第一のお目当てはトリカブト.前回滞在時,早くも咲いている株に出会い感激したのだが,今月が本来の開花時期.先月咲いていたのと同じ株(たぶん)がさらに咲き進んでおり,立派な株だという事が分かった.また,少し離れた場所でも別のトリカブトが咲いていた.

写真:トリカブト
  

湿性花園ではやけに赤が目立つ.これはエンビセンノウ.昨年はこんなに数が無かったのに一年でこんなに増えるものか?と不思議に思っていたところ,離れた場所でズラリと並んで栽培されているエンビセンノウを発見.なるほど苗を育てていたのか…道理で増えているハズだ.ちょっと興ざめだったけど.

写真:エンビセンノウ  左・中央:湿性花園のもの,右:栽培されていたもの
  

他にもキク科の仲間が数種類,フウロソウ仲間(アサマフウロ),フジバカマ…などなど,秋の草花が咲いていた.ここで初めてお目にかかったのがハナイカリ.数株あったが今まで見た事が無いだけに,これも植えられたもの??

写真:キク科集合
  

写真:フジバカマ,アサマフウロ,ハナイカリ,アキノキリンソウ
   

フィオーレ小淵沢(09/10)
お天気に誘われて小淵沢方面へ.薬用植物園でランチにしようと向かったところ,月曜日は休園とのことでゲートが閉まっていた.「あれれ?この前行った時には日曜日で閉まっていたのに?」と首をかしげながら,仕方無いのでフィオーレ小淵沢へと行き先変更.

花パーク・フィオーレ小淵沢は訪れる人もほとんど無く静か.秋の空の下,平和にランチタイムを過ごすことが出来た.
園内ではダリアが終盤で,それでも赤色の株は咲き始めが遅かったので今が見頃.

写真:ダリア
  

ヒマワリはすべておしまい.一面うつむいたヒマワリの残骸という景色はどことなくコミカルで笑えた.代わりに咲き始めていたのがシュウメイギク.下から見上げて青空に花穂がスックと伸びてきれいだったのがロシアンセージ.

写真:ヒマワリ,シュウメイギク,ロシアンセージ
  

園のゲートの外ではサルスベリが満開.

写真:サルスベリ


ハチ騒ぎ(09/13)
カーポートの屋根にハチが集まっているのを発見.黒と黄色の模様がスズメバチを思わせる.ただ,足が長いのでアシナガバチか.
蓼科に来た日にハチの巣が出来ていてキンチョールでハチを退治した後ホウキで落としたのだった.同じハチがまた同じ場所に戻ってきた.
よほど居心地が良いのだろうか.

そっとズーム撮影して調べて見たらキアシナガバチのようだ.スズメバチで無くて良かった.ただ,このハチはスズメバチ科で,刺されるとスズメバチ同様かなり痛いらしい.キンチョールですんなり落ちてくれるのが助かる.

写真:カーポートの屋根に集合しているキアシナガバチ(ハチの上に見える黒ぽいものは屋根の上の落ち葉)


後日また来ているのを発見して今度はあらたに購入したハチジェットスプレーで撃退.
その後は風の強い日が続いているためか,彼らは来ていない.しばらく要注意.
庭のトロパたち & 不思議なsmithiiの距(09/12〜17)
9/12にアズレウムなどの種まき実施.気温が高い(8月並)のが気になるが今期もトロパ・シーズンの幕開け.この変な気候でどれだけ発芽するだろうか.

写真:種まき(9/12撮影)


発芽してからこのかた咲いた事のないtuberosum.大きなイモが出来ていたのに今年はイマイチ葉が少ないと思って大鉢をひっくり返してみると,イモはすっかり姿を消して,かろうじて根の付いた茎が2本残っているだけ.これはヤバイと慌ててポット上げ.かろうじて全滅を免れた.

写真:かろうじて残ったtuberosum(9/17撮影)


fintelmanniiは相変わらず葉が茂っている.3株並べてあったfintelmannii(1103〜1105号)はどうせ霜の降りる頃には枯れてしまうので,葉をカットして持ち直すかどうか実験.
また,1101号のすぐ横でspeciosumがなんとか生きている.土中で越冬し晩春に発芽,茎を伸ばして多少葉を展開させるところまでで毎年夏が終わってしまう.夏の間に咲いてくれるハズなんだが,冷涼で湿った気候を好むこの種にとって30度に達する暑さは無理なのだろう.暑さがダメなpolyphyllumも毎年梅雨明け後に地上部が消えてしまう.

写真:葉が茂っている1101号(9/15撮影),実験中の1103号(9/13撮影),speciosum(9/15撮影)
  

さて,数株あるsmithiiで妙なことを発見した.長年トロパ仲間を栽培しているとたまに「距の無い個体」に出会うことがある.これはその株に咲くすべての花に共通な性質だと思っていた.今回発見したのは同じ1株なのに距があったり無かったりするのだ.気候の関係(ストレス)か,遺伝的な問題かよく分からない.ポット植えにしているのでこのまま元気だったら涼しくなって大阪に連れ帰り,観察を続けようと思っている.

写真:距ありと距なしのsmithiiの花


庭の花たち(〜09/18)
昨年日陰で自生していたツリガネニンジンを日向に移植したものが開花.種から栽培しているトリカブトも開花.庭の数カ所にあるがやはり日当たりの良い場所での開花が早い.

写真:ツリガネニンジン花芽と開花(9/13,9/17),トリカブト(9/18)
  

昨年地植えにした大徳寺花笠(ムクゲ)が開花,今まで3つ開花した.シロバナホトトギスは2箇所に植えているがどちらも開花中.コバルトセイジは日野春で入手して地植えにしたものが開花.センブリは自生で庭の数カ所で花芽を付けている.

写真:ムクゲ(大徳寺花笠;9/12),シロバナホトトギス(9/12),コバルトセイジ,センブリ花芽(9/13)
   

春に咲いていたナスタ,アストランティアが返り咲き.秋咲きのシクラメン(シプリウム)が今年も開花.もらい物の種を播いたがタイミングが遅かったので超ミニサイズでヒマワリ開花.

写真:ナスタ(9/17),アストランティア,シクラメン,ヒマワリ(9/18)
   

シロバナホトトギスと一緒にブーママさんちからやってきたクロバナヒキオコシも開花,ネメシアは返り咲き.落花生はポツポツ咲いている.タンジンはずっと長期間咲きっぱなしだが,さすがにそろそろ花は終わり.

写真:クロバナヒキオコシ,ネメシア,落花生,タンジン(9/18)
   

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