蓼科高原だより:その99(2013/04/26〜05/12)

春のマイナス5度:庭の植物たち(04/26〜28)
前回蓼科から大阪に戻る際,朝の気温がマイナス5度となった.翌日も同じような気温の予想で庭の植物たちには辛い冷え込みとなった.持ち帰るわけにもいかず,庭に落ち葉布団を山ほどかけて置いていたナスタたちはマイナス5度の洗礼を受けた.今回蓼科入りして一番にチェックしたが,やはりマイナス5度はきつかった.すっかりしおしおになってしまっていたが,もしかして生きていないかとかすかな期待を持ってそのままにしている.

他にもT.tuberosum,smithii,fintelmanniiの地上部がおひたし状態になってしまった.常緑樹の陰に置いて霜よけしたつもりでも,これだけ気温が下がるとダメだった.こちらも未練がましくそのままにしている.暖かくなって復活してくれたら良いのだが.(特にtuberosum)

という訳で今回不在時の最低気温はマイナス5度,最高気温は19度だった.

庭ではミツバツツジが少し咲き進んで来たが,4日しか経っていないとそんなに変化は見られない.

写真:ミツバツツジ
 

今回は大阪からsessilifolium(開花中のもの含む)とpentaphyllum(これも開花中),大鉢で発芽してポット上げしたsmithiiなどを連れてきた.前回みたいな事になったら困るのでsessilifoliumは耐寒性があるが(現に前回持ってきたものは庭で野ざらし状態でも平気だが),夜間は玄関先に入れて避難させている.早く安定した気温になって暖かくなって欲しい.

写真:sessilifolium,pentaphyllum,moritzianum
  

プリムラ類も花が進んでいる.

写真:マジカルブルー,カウスリップ
 

写真:二段咲きプリムラ,ブルーベリーのムース
 

八ヶ岳薬用植物園(04/27)
冬の間土日は休園だった薬用植物園もいよいよシーズン開始.4/27から土曜日オープンとのことで早速行ってみた.駐車場には車が3台.相変わらず穴場.

園内では桜,アーモンド,ミツマタ,ウグイスカグラ,フデリンドウなどが咲いていた.風が強く気温もそんなに高くなく,ちょっと肌寒い感じだった.イカリソウがたくさん咲いていた.やたら風が強く写真もうまく撮れないので早々に退散.

写真:アーモンド,ミツマタ,カウスリップ
  

写真:イカリソウ
  

写真:フデリンドウ,ヒメツルニチニチソウ
 

写真:アケビ
  

近所の植物たち(4/26〜28)
散歩途中で出会った植物たち.竜神池のほとりのサクラはまだ咲いていない.それでも他の場所ではソメイヨシノが咲き,既に終わりかけているところもある.日当たりの良い場所にあるフキノトウはすっかりトウが立っているが,いつも見る場所で全然出ていないのが気になった.抜かれてしまったのか,はたまた天候不順で出そびれたのか??

カタクリも花数が増えていた.フクジュソウは今年は全然でようやく1つだけ小さな花が咲いているのを発見.フデリンドウもまだ全然見かけていない.

今年は全然キクザキイチゲを楽しむことが出来ず.庭植えのヤツは既に花が散ってしまっていた.いつ咲いたんだろう?竜神池の斜面でいつも見事な群落が見られるのだが,前回少し花が見られただけで(しかもすぼんだ状態),もうニリンソウにバトンタッチしていた.

写真:ヤマザクラ,カタクリ,フクジュソウ
  

写真:フキノトウ,ニリンソウ
 
蓼科湖散策(4/29)
聖光寺の桜がどれほど咲き進んでいるか気になっていたので蓼科湖を散策することに.目当ての桜はまだ3〜4分咲きといったところ.蓼科湖のほとりの桜は満開になっていた.

写真:蓼科湖のほとりにて


昨年7月から隣接する彫刻公園が無料開放されていると知り,ついでに入ってみることに.彫刻が点在する公園で山の上の方にまで作品が配されている.北村西望(きたむらせいぼう:長崎の平和祈念像で有名)の作品があちこちに並んでいた.干支の彫刻が置かれたラビリンスがあり,そこに何故か猫の彫刻が.これが一番インパクト有り.

写真:猫
 

日野春ハーブガーデン(5/01)
GW期間中15%引きセールを実施中の日野春ハーブガーデンへ.いつもなら暑さであえぐハウス内も「やや暑い」程度.いつ行ってもココの苗は元気いっぱい.あれこれ物色していたら6000円超に.2000円でオマケ苗1つ頂けるとのことで,3つオマケ苗をゲット.全てアレキサンドリア・ストロベリーにしてワイルドストロベリー・コーナーを充実させよう.

見本ガーデンでひときわ黄色が目立つのは何だろうと思い,尋ねてみるとユーフォルビア仲間のポリクロマという種類らしい.(Euphorbia polychrome)
それでこれも1つ苗を連れ帰ることに.

写真:ハウス内光景(ナスタは割引対象外)
 

 

写真:ガーデン風景:ユーフォルビア・ポリクロマとドワーフコンフリー
 

聖光寺の桜(5/03)
この春はやけに寒い.ずっと最低気温は0度か氷点下まで下がっている.毎日「霜注意報」が出っぱなし.

大阪では例年より桜の開花が早かったが,蓼科では遅い.先日まだ3分咲きくらいだったが昨日満開情報を得て,しっかり着込んで朝から出かけてみた.さすがに9時頃だとまだ観光客は少ない.空気が澄み切っているためか,やたら空が青い.紫外線が強そうな感じ.

情報通り満開は満開だったが,今年は花がショボイ感じがした.いつもより花が小さい?ちょっと遠慮がちに咲いている雰囲気.

写真:聖光寺の桜
  

花パーク(5/03)
聖光寺からいったん帰宅,今度は小淵沢の花パークへ.いつもランチ場として利用させてもらっている所だが,寒いので下界の見下ろせる一段高くなった駐車場で車内ランチにしているのだった.それでもこの場所は山おろしのせいか風当たりが強く,強風で車が揺れるほど.

腹ごしらえを済ませてから今年初の園内散策となった.スイセン,ムスカリ,チューリップと園内は春のラインアップ満開.地植えにされているヘレボがどれほど開花しているか気になっていたが,そこそこの開花状況で納得だった.

写真:園内風景
 

 

 

ミヨシ・ペレニアルガーデン(5/03)
ヘレボと言えばやはりミヨシ…という訳で,ついでにミヨシ・ペレニアルガーデンへ.駐車場からガーデンへ一歩入ったところでネコ発見.風貌は野良に見えなかったので飼われているネコだろうか.やや警戒モードだったので無理に近寄らず,ズームで撮影.

写真:ミヨシのネコ(左と中央は同じ写真,右はズーム撮影)
  

園内はヘレボが花の盛りを過ぎ,種がパンパンに出来ているものもあった.これだけ見事な株張りになるには何年経っているのだろう?ムスカリの群落が見事.

写真:ヘレボたち
 

 

ここでも頭のてっぺんが白いムスカリ・マウンテンフット発見.この秋球根を見つけたら庭にも埋めておこう.

写真:ムスカリ・マウンテンフットと普通のムスカリ
 
八ヶ岳薬用植物園(05/04)
GW真っ只中,どこへ行っても混んでいる.普段対向車とあまり出会わない道路でも,次から次へと対向車がやってくる.そんな時の穴場は薬用植物園だ…と行ってみたところ,意外に駐車場が混んでいてビックリ.地元ナンバー以外に他府県ナンバーの車も見られた.園内に入ると植物観察会が実施されていたので,その参加者だったのだろう.

1週間ほど前に行った時と園内の様子は対して変わらない.まだ桜は咲いているし,パッと見特に変わった様子は無かったが,歩いてみるといろいろ発見があった.前回も咲いていたフデリンドウはさらにパワーアップ,その数をグンと増して前回見られなかった場所でも見られるようになった.ヤマシャクヤクとアズマシャクナゲは今年初めて出会った.

写真:園内の様子,まだ頑張っている桜
 

写真:フデリンドウ,ヤマシャクヤク,アズマシャクナゲ
  

花木ではボケ満開,アケビ満開,メギ満開.ナツグミも満開で,タラノキも新芽を吹いていた.タラノキは寒い日に被害にあったのか,新芽が干からびているものがあった.こちらでも冷え込みが厳しかったのだろう.

写真:ボケ,アケビ,メギ
  

写真:ナツグミ,タラノキ
 

ハーブコーナーではカウスリップ満開の後ろでアジュガが咲き,ルバーブはニョキニョキ花茎を持ち上げ,タイムはピンクのカーペットを成していた.

写真:カウスリップ,ルバーブ,タイム
  
八ヶ岳薬用植物園(05/06)
今回まだ行った事が無かった原村自然文化園を散策.GW最終日とあって家族連れで賑わっていたが,植物に興味のある人は皆無のようで(そりゃまだ花らしい花は咲いていないので仕方無い),山野草園や湿性花園を散策している人はゼロ.

山野草園を散策していて驚いたのはカタクリが咲いていたこと.終わった花もあったが,まだそれなりに見られる状態.群落という程ではないが,株が点在していてポツポツとそこかしこにピンクが見えていた.

写真:カタクリ
  

湿性花園ではミズバショウが咲いていた.カタクリといい,ミズバショウといい,春の風景というか早春の風景だった.

写真:ミズバショウ
 

園内を散策した後,ついでに実践農場の鉢花温室を覗いてみた.相変わらずパンジー,ビオラは80円で販売中.ここでは6月くらいまで花が保つので良いのだが,他の場所ではそろそろ終わりなので買う人もほとんど居ないだろう.温室内では元気そうな様々な苗が並んでいたが,パンジーゼラニウムが華やかだった.耐寒性が無いので手は出なかったけど.金魚草と寄せ植え類もきれいに咲いていた.ハート形に枝を整えられたローズマリーがあったが,花が終わった後で残念.

写真:パンジーゼラニウム,金魚草,ローズマリー
  
春の26度:近所の植物と野鳥(05/08〜10)
今回滞在時,朝の最低気温が氷点下になる事が何度かあった.そして最高気温も15度止まりの日が多く肌寒い春だと思っていたところ,一気に26度まで気温が上がり夏日となってしまった.冬まじりの春モードから一気に夏モードへ,あまりに気温変化が激しすぎる.おまけに朝の気温が4度,昼が26度だと一日の気温差が22度.一日のうちに3ヶ月分くらいの気温変化を受ける訳で,たまったものではない.

それでも人は衣類や道具で何とか対処出来るが,植物たちにはかなりのストレスだろう.今年のタンポポは花茎が短い.霜の降りるところで咲いているものは花が地際で咲いている.彼らなりの生活の工夫なんだろう.

散歩道で出会う植物たちでは竜神池のほとりの桜がようやく開花,そしてこの高温で一気に満開となっている.

写真:竜神池の桜
  

雑木林の中の散策路ではずいぶん樹木が整理されており,日当たりが良くなって植生が変わりそう.各所にサクラソウがポツポツと咲いていた.毎年秋に花を楽しませてもらっていたトリカブトは元気にしていたが,夏の日照条件が変わりどうなるか心配.ウグイスカグラが赤い小花を咲かせていた.

写真:サクラソウ,トリカブト,ウグイスカグラ
  

別の場所ではエンレイソウ発見.今まで気づかなかったのだが毎年ずっと咲いていたのだろうか.ニリンソウも咲いているがそろそろ終わりだろう.フデリンドウがようやく咲き始めた.

写真:エンレイソウ,ニリンソウ,フデリンドウ
  

クサボケの赤い花が目立つようになった.スミレやカキドオシが紫の小花をここかしこに咲かせ,アケビは花芽状態.そろそろ開花が始まるだろうか.

写真:クサボケ,アケビ,カキドオシ
  

野鳥では今回キビタキを何度も見る機会があった.芽吹きのグリーンの中で黄色が飛んでいるのだからやたら目立つ.

写真:キビタキ
    

クロツグミは珍しいと言われるが,こちらでは結構見かけることがある.ホオジロやメジロは都会でも珍しくはない.

写真:クロツグミ,ホオジロ,桜の蜜を吸うメジロ
  

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