蓼科高原だより:その41(2005/07/15〜05/07/22)

霧ヶ峰高原ニッコウキスゲ
梅雨時は湿度が高く雨ばかりで蓼科へ行っても庭仕事も出来ないし楽しくない…そんな思いを抱いて過ごしていたら,あっと言う間に前回から1ヶ月以上も間が空いてしまっているのに気づきました.そろそろ梅雨も終わるだろうと期待して蓼科へ来てみたら,あらら〜,地植えにしていたナスタ仲間のポリフィラムがキレイサッパリ消えていました.ん〜,つい先日,大阪でポリフィラムが枯れ上がってしまったばかりだったのに.蓼科の地植えポリフィラムが生きている事を期待していたのにまるでアテがはずれてしまいました.ショック….(-_-;) こちらも雨が多かったようで根腐れしたのか,すっかり溶けてしまったようです.そのうちイモのチェックをしなくては.

さて,気を取り直して霧ヶ峰高原のニッコウキスゲを見に行ってみました.レンゲツツジは見逃してしまったけれど,ニッコウキスゲはまだまだ見事に咲いていました.今年は今まで見た中で一番花が多いように思います.山が点々と黄色に染まっていました.今日でも車山肩の駐車場は昼頃で満杯状態だったので,明日からの三連休はきっと大変な混雑になるでしょう.

写真:車窓から撮った(そのため前面左側は流れている(^^;)ニッコウキスゲ;山の広い範囲で黄色いのが分かる?
ニッコウキスゲ

写真:散策路を歩いて撮ったニッコウキスゲ
 

信濃路自然歩道沿いには,ニッコウキスゲの他にもフウロソウの仲間,色鮮やかなノアザミ,ノハナショウブ,ヤナギラン,ウツボグサが花色で自己主張し,白花のカラマツソウ,シシウド,薄ピンクがかったイブキトラノオなどが咲いていました.こちらの散策路は,駐車場の人出の割に空いており,ゆっくり歩きながら花を見られるのが良いです.やはり30分以上歩くとなると,団体客などは引いてしまうのかもしれません.

歩き始めは吹く風が冷たく感じましたが,さすがに散策路を軽く一周するコースを太陽に照らされながら歩いていると汗がにじみました.

写真:グンナイフウロ,ハクサンフウロ,イブキトラノオ,ノアザミ,ノハナショウブ
    

写真:カラマツソウ,シシウド,ヤナギラン,ウツボグサ
   

(追記)
散策路をぐるりと軽く一周した後で,自然保護センターへ寄ってみました.(入館無料)この施設があるのはずっと前から知ってましたが,中を見学するのは初めてです.正式名称は「長野県霧ヶ峰自然保護センター」.(HPはこちら

ここでは,散策路周辺の植物に名札を立てたり,散策路を整備したり,ボランティアの方々によるツアーを行ったり,自然保護を啓蒙する活動を行っておられます.今回,散策路に入る直前にグリーンのマットが置かれていました.現在の植生を維持するため,できるだけよそからの種子の流入を防ごうという試みだそうです.ここまで厳密にやらないといけないのか…と気が引き締まる思いでした.

館内に入ると,キツネやテンの動物はく製があって「ほぉ〜」と思いました.夏の期間は「夜の散策ツアー」のようなイベントも行っている模様です.ここでは霧ヶ峰の気候や歴史,地質・植物・動物など様々な情報が得られます.受付に申し出ると霧ヶ峰の地図がもらえます.そして現在どんな花が見頃かも教えてもらえます.ちなみに私たちが散策した後で聞いたところによると,「テガタチドリ」というラン科の花が見頃で,地図上で「ココとココの辺り」と教えて頂きました.赤鉛筆で印を付けて下さった場所は,私たちが歩いた所からわずかに離れた場所でした.う〜ん残念,先にここでお話を聞いてから散策すれば良かった…(-_-;)と後悔したところで後の祭り.次回は先にここで情報を仕入れてから歩こうと思ったのでした.

近所の花たち
近所を散歩して出会った花たちです.この時期,ヤマホタルブクロがあちこちで見られます.緑の中で,このピンク色はひときわ目立っています.「ホタルブクロ」と「ヤマホタルブクロ」との違いは,ガクで見分けるそうです.前者はガクが反り返るのに対し,後者は反り返らずプックリふくらんでいるのです.(左から3番目の写真;赤○内)花の内部には細かい毛が生えていますが分かるでしょうか.(左から4番目の写真)

写真:ヤマホタルブクロ
   

1株だけオカトラノオを見つけました.今まで同じ場所を何度も通っているのですが,この夏初めての発見です.遠くから見ると花穂の部分がベロ〜ンとなって虎のしっぽみたい?近づくと小さな花がたくさん集まって咲いています.

写真:オカトラノオ
  

エゾスズランも今年初めて出会った植物です.スズランと名が付いていますがランの仲間です.確かに花を見るとラン科っぽい形をしています.

写真:エゾスズラン
 

また,毎年恒例の花たちも咲いていました.クサフジは他の植物に絡まりながら咲いているので,いったいどこが根元なのか見当も付きません.(^^; マムシグサは立派な実が出来ていました.今はまだグリーンですが,秋には真っ赤に染まって目立ちます.池のほとりでオオマツヨイグサがあちこちに咲いていました.霧ヶ峰でたくさん見たウツボグサが数輪咲いているのを見つけました.

写真:クサフジ,マムシグサの実,オオマツヨイグサ,ウツボグサ
     

シモツケは独特のピンク色で目立ちます.ナツツバキはいつも地面に花がゴロゴロ落ちているのを見つけ,上を見上げて花が咲いているのに気づきます.白い清楚な花です.

写真:シモツケ,ナツツバキ
 

坪庭
ピラタス・ロープウェーに乗って,坪庭まで行ってみました.標高1100m弱の我が家では朝から23度もある暑い日でしたが,標高2000m超の坪庭では涼しいかな?と期待していました.ところが…確かに気温は低く吹く風も冷たいのですが,お日様が近いという感じで,紫外線がやけに強くジリジリと焼き焦がされるという雰囲気で,散策路をぐるりと一周するのに結構汗をかいてしまいました.(~_~;)

ロープウェー乗り場入り口には,気象情報や開花情報が掲示されていました.それによると朝10時現在の山頂の気温は16度,風速は3m/秒だったそうです.開花情報どおり,坪庭ではコケモモ,クロマメノキ,ハクサンシャクナゲなどが咲いていました.山頂駅付近でコマクサが開花中となっていましたが,今回は見逃してしまい残念でした.

坪庭では,岩場にはいつくばるようにして生きているコケモモやクロマメノキですが,どちらも釣鐘型の小さな花をつけます.どちらもツツジ科で,花を見ると同じくツツジ科のブルーベリーによく似ています.コケモモは赤い実をつけますが,クロマメノキは,ブルーベリーのような色(濃い藍色)の実をつけます.名前のように「黒豆」ほど黒くは無いのがご愛敬??(^o^) 

ロープウェー山頂駅では,売店で「こけもも大福」や「コケモモの乾燥果実」,「コケモモ・アイス」,「コケモモ・ジャム」などが販売されていました.コケモモづくし…って感じでした.

写真:ハクサンシャクナゲ,コケモモ
   

写真:クロマメノキの株と花のアップ
  

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