蓼科高原だより:その44(2005/10/09〜05/10/25)

収穫の秋
今年の10月は8(土)〜11(月)が三連休です.ちょうど中日の9日に蓼科にやってきました.蒸し暑かった大阪から来ると13度前後の気温はずいぶん肌寒く感じます.初日はストーブの試運転をしました.無事に動くのを確認し,早速夜にスイッチ・オンです.やはり長時間留守にしていると家全体(床全体)が冷え切っている感じがします.それでいつも初日は寒い思いをするのですが,翌日からは平気になるから不思議です.からだが慣れるのもあるのでしょうけど.

さて,今年は栗が遅かったので,前回滞在時後半にとりあえずある程度栗を収穫しましたが,ちょうどベストな時期を逃してしまいました.こちらに来て,早速いつもの栗スポットも回ってみましたが,落ちているイガは既に黒くなっており,虫食いの栗しか落ちていませんでした.何事もタイミングって大事です.とても残念に思っていたところ,たまたま用事で行った先に栗の木があり,きれいな栗が落ちているのが目に入りました.そこの主によると,一度バケツ一杯分収穫した後は,誰も採る人が居ないのでそのままになっているとか.そこで許可を得て,両手一杯にまるまると太った栗を収穫する事ができました.思わぬ収穫にホクホクです.(^o^)

夕方雨上がりの散歩に出た際,ジコウボウが大量発生しているスポットを見つけました.これも少しだけ残し,嬉々として収穫しました.独特のテカリがキレイです.キノコが不作と言われているわりに,結構な収穫でした.さっそく味噌汁に入れて味わっています.キノコのコクが出て美味しいです.

スーパーでは,紅玉のお徳用・袋入りが出回っていました.早速購入してりんごジャム作りです.これを作らないと,秋が来た気がしません.栗,ジコウボウ,りんごジャム…,今年も無事に秋の味覚を堪能出来て満足です.(*^_^*)

到着日以来,ずっとお天気がパッとせず,雨が降ったり曇ったり,なかなかお日様の姿を拝む事が出来ません.例年なら9月がこんな感じなのですが,今年は何もかも遅れているのかな…なんて思っています.そういえば,紅葉も遅れているように見えます.ちらほらと紅葉は始まってはいますが,やはり遅れ気味(1週間程度の遅れ?)のようです.

天気が悪いとなかなか写真が撮れません.少しの晴れ間を利用して庭の写真を撮りました.虫食いのため収穫しなかったジコウボウ,咲き始めたセンブリの花,そして赤い実がたくさん成ったツルリンドウです.また,昨年苗で購入したシクラメンを地植えにしていたところ,花芽が持ち上がっていました.今年はシクラメンの成績が良いようです.
(10/11記)

写真:左から 虫食いジコウボウ,開花しかけのセンブリ,ツルリンドウの赤い実,園芸種のシクラメン
   

紅葉はまだ先?
今年はどこも紅葉が遅れているようです.天気が良かったので,蓼科でも有名な紅葉スポット・横谷観音を偵察しに行って来ました.バスで来た団体さんが歩いていましたが,やはりここも紅葉はまだこれから…といったところでした.上の方は真っ赤に色づいているのに下の方はまだ青いというモミジや,全体はまだ青いけど一部だけ紅葉している,といったモミジがありました.この調子だと一週間から十日ほど先が見頃かな?

写真:横谷観音付近の紅葉(10/12撮影)
   
ナメコ収穫
雨上がりに庭でキノコ探しをしていたらジコウボウを数本見つけました.ふとシイタケとナメコのホダギがあるのを思い出し,見てみると…なんとナメコが出ていました.発見が遅れたものはやや巨大化していましたが,しっかり収穫して夜はキノコ鍋を楽しみました.(^^) このホダギからは昨年もたくさんナメコが採れましたが,今年もちゃんと出てくれて嬉しいです.

写真:ホダギから出ていたナメコ(10/16撮影)
  

ダリア,ダリア,ダリア
曇り空でパッとしないお天気でしたが,山梨県フラワーセンターではダリア開花率100%&秋のバラが咲き始めたという事で行ってみました.晩春にポピーとルピナスの見事な花壇があった場所が,今回ダリア花壇になっていました.ダリアと一口で言っても花びらの色や数,そして花の形で様々な種類があります.最初に見たダリアは,遠目に「今頃ボタンが咲いているの?」と不思議に思った程で,近づくとそれは恐るべき?ダリアの巨大輪でした.頭(花)が重くて下を向いていて,雨が降ったら可哀想なんて思ってしまいました.

写真:巨大輪のダリア(園内入り口近く;10/16撮影)
 

写真:様々なダリア(花壇;八重)
   

 

写真:様々なダリア(花壇;一重)
   

特に一重のダリアの方には,たくさんの昆虫が訪れていました.小さなカナブンみたいな甲虫は花粉まみれになりながら首を突っ込むような姿勢で蜜を吸い,ハチやチョウもひらひら舞ったり花にとまったりして皆忙しく飛び回っていました.中でも大柄なスズメガの仲間(下の写真;左の2枚)はブンブン羽音をたてながら賑やかに飛び回っていました.

写真:ダリアを訪れる昆虫たち
   

 

園内を奥に進むと,さらにダリアの花壇がありました.こちらは八重の大輪・中輪ダリア・コーナーといった感じでした.また,ここには「ダリアの基礎知識」という立て札があり,ダリアの由来や花の大きさ,花弁の形,咲き方による分類が書かれていました.ダリアの周囲にはあちこちに支柱が立てられ,その内側には網の目状にヒモが交差していてダリアの株を支えているようでした.

写真:奥花壇のダリアたち
   

 

また,春ほどたくさんの開花は見られませんでしたが,あちこちでバラも咲いていました.バラの回廊を歩いていると,どこからともなく良い香りが漂ってきて幸せ気分に浸れました.

写真:咲いていたバラたち
    

 

以前青ケシの咲いていた山野草コーナーでは,スズランの赤い実がなっていました.最初「何の実だろう?」と思っていたのですが,葉の形がスズランそっくりで実の付き方もスズランの花の付き方とそっくり,そして極めつけに名札が「ピンクスズラン」と書いてあったのでスズランだと確信しました.

写真:スズランの赤い実
  

圧巻だったのはピンクと白のフジバカマの群生している場所で,アサギマダラというチョウがたくさん優雅に舞っている光景でした.淡いブルーのチョウが舞う姿はとても美しかったです.ところでこのフジバカマ,そんなにチョウを引きつけるとは,いったいどんな香りがするんだろう?と思い,花に鼻を近づけてみました.う〜ん,何とも言えない香り.私にはお世辞にも良い香りとは思えないけど,悪いニオイというわけでもなく,強いて言うならブッドレアの花の香りに近いかな…そういえば,ブッドレアもチョウを呼ぶという事で有名な花なのでした.

写真:フジバカマとアサギマダラ
  

   
紅葉そろそろ見頃に
一週間前には「横谷観音付近の紅葉はまだまだ」でしたが,ようやく葉の赤さが増してきて見頃になってきました.この日もバス・ツアーの団体さんたちがゾロゾロと歩いていましたが,前回よりも今回来たお客さんはラッキーです.近くの散策路を歩いている時,ジッとしているヘビに出会いました.朝晩の冷え込みが厳しくなってきて,動きが鈍くなっているようでした.「早く冬眠しないと<冷凍ヘビ>になっちゃうよ〜(~_~;)」と声をかけておきましたが….

写真:横谷観音付近の紅葉(10/19撮影)
  

実りの秋;八ヶ岳薬用植物園
快晴の中,八ヶ岳薬用植物園へ行ってみました.青い空をバックに木々の葉が赤や黄色に色づき,赤い実があちこちに見られてとても鮮やかでした.

写真:ガマズミの赤い実(10/20撮影)
   

写真:赤い実いろいろ 左から クコ,ナナカマド,サンザシ,アサクラザンショウ
   
八ヶ岳初冠雪
竜神池に散歩に出たら,八ヶ岳の山頂にうっすらと白い物が見えました.今年は10/23に初冠雪です.例年より早いのか遅いのかよく分かりませんが,昨日までの数日は昼間でも10度前後の低い気温で寒かったです.

写真:八ヶ岳初冠雪(10/23撮影)


写真:山頂付近のアップ(10.7倍ズーム)


マムシグサの生活
いつも何気なく見ているマムシグサ.サトイモの仲間なんですが,初めて見た時は「不気味な花と,秋になったらやたら目立つ真っ赤な実」という印象でした.ところが,「草花のふしぎ世界探検」(ピッキオ編著,岩波ジュニア新書)を読んで,この植物は面白い生態を持つ事が分かりました.というのも,毎年成長具合に応じて「性転換」するんだそうです.生育に適した環境で大きく育つと雌株に,そうでない場合は雄株になるようです.しかも3年間にわたり約100株を追跡調査した結果,雄株→雌株,雌株→雄株と両ケースに変化する場合があったそうです.雄花と雌花があることすら知らなかった私は「へぇ〜!」と感心すると同時に,こんな身近に観察素材があるからには,花を見かけたら「アンタ雄?それとも雌?」と覗き見せずにはおられなくなりました.(^◇^)

という訳で,今年一年,散歩しながらマムシグサを観察してきました.途中,草刈り機でグァーン!と一気に倒されて消えてしまったもの(~_~;),つい先日まで赤い実があって後日写真に納めようと思っていたらいつの間にか忽然と消えてしまったもの(-.-)等,様々な出来事もありましたが,まずは撮りためた写真を披露しようと思います.ただ,撮った写真は同一株を追跡したものではなく,何の脈絡もなく見つけた株を適当に撮っているだけですのであしからず.(^^;

マムシグサでも大きな株は50cm以上になります.前述の本によると,葉が10枚以上のものが花を咲かせるとか.散歩しながら開花した株の中身を覗いてみました.数本のマムシグサを覗いてみたところ,やはり小柄なマムシグサには雄が多かったです.花の基部にはブツブツとした突起があり,そこから花粉を出していました.また,大株に育った株の花を覗くと,将来実になるだろうと思われる緑色の粒々が見えていました.

写真:マムシグサ開花(5/26撮影;左から2〜3枚目が雄株,4〜5枚目が雌株)
     

いつもと違う所を散歩していると,変わったマムシグサに出会いました.というのも葉が斑入りなのです.ここは株に近づけない場所だったので,花の雌雄は確認できませんでしたが,面白い葉だったので記念撮影しました.

写真:マムシグサ(5/27,斑入り葉は5/28撮影)
  

5月下旬に開花したマムシグサは,8月になると雌花の方が結実した姿を現します.そして9月には色づき始め,10月には真っ赤に色づきます.

写真:結実したマムシグサ(左から 8/11,9/23,10/13,10/13撮影)
   

10月半ばも過ぎると落ち葉が増え始め,あたりは紅葉の風景となります.そんな中,マムシグサの赤い実はひときわ目立ち,遠くからでも存在が分かります.下旬には最低気温も3度ほどになり,役目を終えてすっかり枯れてしまった雄株に出会いました.地上部は枯れるけど,地下で越冬します.さて来年はまた雄株になるんでしょうか,それとも雌株になるんでしょうか.

写真:赤い実と枯れた雄株(10/23撮影)
  

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