蓼科高原だより:その46(2006/04/27〜06/05/11)
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春はまだ浅し
今年初めての蓼科滞在は4/27からスタートしました.例年なら4月中旬に一度来て庭のミツバツツジを眺めるのが常でしたが今年は忙しくてそれもかなわず,ミツバツツジの鑑賞は諦めていました.ところがやって来てビックリ,ミツバツツジは終わったどころかまだツボミでした.低温で開花が遅れたようです.地元の方の話では2日ほど前に雪がうっすらつもったとか.思わぬ幸運に喜んでいます.まだまだこちらでは春浅しといった風情です.
恒例の玄関先の温度計チェックでは,留守中の最高気温18度,最低気温マイナス14度になっていました.この冬は例年に比べて雪は少なかったものの,12月がすごく寒かったとの事でした.そういえば大阪でも12月下旬に雪が積もって大騒ぎになった事があったのを思い出しました.年が明けてからは雪でなく雨が降ったりして,変な気候だったそうです.きっと異常気象で花たちも「いつ咲いたらいいの?」と戸惑っているのかもしれません.
4/28は快晴で気温もグングン上昇,18度まで上がり暖かい一日でした.おかげで翌日ミツバツツジが開花しました.暖かい日が数日続くとあっという間に満開になりそうです.
写真:ミツバツツジ(左は4/28撮影,右は4/29撮影)

庭では例によって秋に植えたパンジーたちが無事に冬越ししました.雪が少ないとの事で逆に心配していたのですが,無事を確認してホッとしました.パンジー以外ではヒヤシンスが咲きかけで,プルモナリアの赤花が開花していました.このヒヤシンスは数年前に球根を埋めたまま放っているのですが,毎年花を咲かせています.最初はヒヤシンスらしく多くの花を咲かせていたのですが,今では花もまばらになって不思議な花姿になっています.(^^; またカウスリップも花芽をつけていました.
写真:開花していたプルモナリアの赤花,カウスリップの花芽,咲きかけのヒヤシンス(4/28撮影)

神田の大糸桜
ドライブしていると標高900m辺りで今ソメイヨシノが満開です.桜と言えば「神田(しんでん)の大糸桜」はどうなっただろう?と思って行ってみました.道中「神田の大糸桜→」という道しるべが各所にあったのでまだ咲いているのかな?とちょっと期待していましたが,到着してみると花は終わりかけで葉が出始めていました.咲いている花をじっくり見て「へぇ,こんな小さな花だったのか」と驚きました.品種はエドヒガンザクラの変種だそうです.老木に茶色くなりかけた小さな花がしだれている様子は痛々しくさえ感じられました.近くに植えられたスイセンが見事に咲いていてきれいでした.
写真:神田の大糸桜(4/29撮影)

写真:見事なスイセン畑(4/29撮影)

一気に春が爆発!
今日から五月です.良いお天気で午前中から気温はグングン上昇,午後には最高気温24度を記録しました.おかげでツボミだったミツバツツジは満開になりました.あまりに一気な事で驚いています.ヒヤシンスもしっかり開花しました.まるで「春が爆発」したようです.
写真:ミツバツツジとヒヤシンス(5/1撮影)

尖石考古館の周囲の散策路沿いではミズバショウがたくさん見られます.つい先日までツボミだったカタクリが1つだけ開花していました.カタクリは花芽の長さが面白いです.ずいぶん長い花芽だなと思って見ていましたが,開花したら花弁が外側にめくれて他の花弁と重なる程なので,なるほど…と納得です.またフクジュソウもきれいに咲いていました.
写真:ミズバショウ群落

写真:開花したカタクリの花(それぞれ別の角度から撮影)とフクジュソウ

竜神池公園ではキクザキイチゲやニリンソウの群落があり,それぞれ開花していました.
写真:ニリンソウ,キクザキイチゲ(青花)

日当たりの良い場所にある桜やクサボケも開花し,小さなスミレも咲いていました.
写真:桜,クサボケ,スミレ
春の八ヶ岳薬用植物園
今年の春もまた八ヶ岳薬用植物園へ行ってみました.世間が混雑している時期の避難スポットとして愛用している所ですが,駐車場には案外県外者も多く停まっていました.
園内ではアーモンドの花が満開で見事でした.これは桜(ソメイヨシノ)に比べて大きくピンク色が濃い花です.
写真:満開のアーモンド(5/3撮影)

ピンクと言えば,イカリソウも満開になっていました.
写真:イカリソウ

アメリカザイフリボク(ジューンベリー)も白い花をたくさん付けてキレイでした.
写真:ジューンベリー

変わったところでは,ミツマタの花が咲いていましたがほとんど終わりといった雰囲気でした.
写真:ミツマタ

今年はどこも花が遅めのようで,ボタンなどはまだまだツボミ堅しといった所で,スズランもまだほとんどがツボミ状態で満開になるまでにはもう少し時間がかかるようです.
パーゴラのアケビもたくさん花芽を付けて,ポツポツと咲き始めていました.
写真:アケビ

我が家の近所ではまだツボミの方が多いウグイスカグラですが,こちらではたくさん咲いていました.白花のクロミノウグイスカグラも咲き始めていました.思いっきり日当たりの良い通路沿いで,薄紫色の小さな花が目に留まりました.かがんで見るとリンドウ(フデリンドウかな?)でした.あちこちで地面から顔を出すようにして咲いていました.何度も通っているこの植物園ですが,ここでリンドウを見たのは初めてです.
写真:ウグイスカグラ,クロミノウグイスカグラ,リンドウ
飯山の菜の花公園
5/6飯山市にある「菜の花公園」へ行きました.千曲川沿いの道路に延々と植えられた菜の花はきれいに咲いていました.会場の公園はやや高台にあるのでまだ3〜4分咲きといった所でしたが,道路沿いの菜の花の方は満開で黄色が見事でした.ここの菜の花,普通のアブラナとは違って実は野沢菜の花なんだそうです.普通野沢菜は9月に種まきして11月に葉と茎を収穫するんだそうですが,毎年種まきするためには種が必要で,そのためには花を咲かせなくてはならず,実際の所はどうしているんだろう?と思っていました.もしかしてこのような所で種採りしているのかな〜?なんて,勝手に想像してしまいました.(^^;
写真:菜の花公園の菜の花,残雪の山を背景にした菜の花(05/06撮影)

写真:菜の花公園からの眺め;右手に見えるのが千曲川,菜の花のアップ
聖光寺の桜満開
近所のJAに買い物へ行った時の事,地元の人が「聖光寺(しょうこうじ)の桜を見に行く…」という話をされているのを小耳にはさみ,そういえばそろそろ満開かも…と思って行ってみました.たくさんの観光客が訪れ,お弁当を拡げたり写真を撮ったりとそれぞれに楽しんでいました.強い風が吹くとフワーッといっせいに桜吹雪,小さな花びらがたくさん青空に舞う様はとてもきれいで良い眺めでした.
写真:聖光寺の桜(05/09撮影)

ふと足元を見るとあちこちにポツポツとリンドウが咲いているのを発見.地面に向かってカメラを向けているのはもしかしたら私だけ?と思いつつシャッターを切りました.(^^; このリンドウ,自生しているところは極端に日当たりが良くて乾燥している所だけだったのが面白かったです.
写真:聖光寺で見つけたリンドウのアップと点々と咲いていたリンドウ(赤円内)
麦草峠の残雪
昼間は春を通り越して夏が来たかと思える程暑かった(おまけに紫外線が異様に強く肌を刺すような感じ)ので,先月下旬に冬ごもりを終えて開通した麦草峠まで足を伸ばしてみました.メルヘン街道最高地点の標高2127m地点へ到達する少し前から道路脇や山林の間に雪が見られました.下界で最初25度を指していた車載の温度計は標高を上げるごとに1度ずつ下がっていき,最高地点では19度を指していました.
日当たりの良い所では雪もかなり溶けて地面が見えていますが,日陰の部分はまだまだ雪が多く残っています.樹木の根元がまぁるくなって雪解けしている様子がうかがえました.雪の中から顔を出し黄色の花を咲かせるフクジュソウの事をふと思い出しました.雪のテーブルの上に,通りすがりの人が作ったのか小さな小さな雪だるまが乗っていました.
写真:麦草峠の残雪(05/09撮影)


庭の様子
5/9は長野や松本では30度を超える真夏日だったようです.ここ蓼科でも数日20度を越える暑い日が続いています.まるで春を通り過ぎて夏になってしまったような感じです.満開だったミツバツツジはあっという間に散り始め,今は地面がピンクのジュウタンとなっています.葉も出てきて,いよいよ新緑の季節です.コシアブラも美味しそうな芽を出していますが,少量しかないので摘むのは諦め,眺めているだけにしています.
シバザクラがいっせいに咲き始め,ヤマブキの開花も始まりました.こちらではピンクと黄色の競演です.先月末にはまだツボミだったカウスリップやプルモナリアの白花,それにラングワートも咲き始めました.
写真:シバザクラ,ヤマブキ,カウスリップ開花(05/09撮影)
写真:プルモナリア白,赤,コモン・ラングワート

一昨年,樹木の下で夏場日陰になるような場所に植えたクリスマスローズが初めて開花しました.6株ほどあったハズなんですが,咲いたのは3株でした.まだほとんど葉も無い状態なのに花芽がスックと地面から立ち上がりツボミを付けていたのを見た時には驚きました.耐寒性の強い植物です.
写真:初めて咲いた地植えのクリスマスローズたち

自生組ではベニバナイチヤクソウが花芽を付け,ヒトリシズカが開花しました.ベニバナイチヤクソウの群落は年々勢力を増しています.先月末に蓼科入りした時,この春花芽を出したものの霜にやられて枯れ上がったベニバナイチヤクソウの残骸をいくつか見ました.それだけ寒暖の差が激しい事を物語っているようです.
写真:ベニバナイチヤクソウの群落と花芽,ヒトリシズカ

蓼科に来てから地植えにしたナスタたちにも開花が始まりました.ブラックベルベットは暗い深紅の花が印象的です.一方ジュエル系はピンクがかった鮮やかな赤で対照的です.また昨年秋に種まきして大阪で冬越ししたエキウム・ウィルドプレッティも地植えにしました.さて,どこまで育ってくれるでしょうか.
写真:地植えナスタ開花;ブラックベルベットとジュエル系,地植えにしたエキウム・ウィルドプレッティ

越冬組のルピナスも先月末に比べて葉が茂ってきました.貧弱な(^^;ヒヤシンスも全て咲きそろい,ムスカリもポツリと咲いています.いずれもマイナス14度の寒さを乗り切ったサバイバル組です.
写真:越冬組のルピナス,ヒヤシンス,ムスカリ

「この春は出ないなぁ」と文句を言っていたのが聞こえたのか,ホダギからニョキニョキとシイタケが出てきました.まだチビなので収穫はもう少し先です.でも油断していたらあっという間に巨大なオバケシイタケになってしまうので要注意.毎日チェックしなくちゃ,と思っています.
写真:出てきたシイタケ
タンポポの当たり年
今年はタンポポの黄色い花が非常に良く目立ちます.例年になく数多くの花が咲いているような感じです.今年は花の当たり年なんでしょうか.あちこちで撮ったタンポポの写真を集めてみました.尖石遺跡周辺では一面のタンポポが見られました.タンポポは生命力が強いようで,アスファルトから出てきて咲いているもの,それに排水口から顔を出しているものなど,ユニークなタンポポも見られました.(^^;
写真:タンポポ


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