蓼科高原だより:その58(2007/09/15〜07/09/27)

ツリフネソウ満開
9月に入り3連休初日に蓼科を訪れました.気温はさすがに大阪に比べて低く涼しく感じますが,やや湿度があるようです.散歩に出たら雑木林の中でツリフネソウとキツリフネが群生していました.どちらも前回からチラホラと見かけていますが,今回はその比ではありません.もう満開です.図鑑ではツリフネソウは花期が7〜9月,キツリフネは6〜9月(いずれも「花のおもしろフィールド図鑑」ピッキオ編著,実業之日本社より)と記されていますが「秋の花」に分類されているので納得です.

写真:キツリフネとツリフネソウ
  

ツリフネソウもキツリフネも湿り気のある土が好きなようで,日当たりの良い所ではあまり見かけません.

写真:ツリフネソウ群落
   

ツリフネソウの距はくるんと巻いているのに対し,キツリフネの方は巻いていません.同時に咲いていると比較出来て面白いです.

写真:ツリフネソウとキツリフネ
  

シクラメン
首都圏を直撃した台風9号の影響が心配でしたが幸い大きな被害は無く,庭に小枝が散乱している程度でした.ふと見ると地植えにしたシクラメンが咲いていました.葉は見当たらず,地面から直接茎を出して花を咲かせています.シクラメン・シプリウムと言う原種のもので,タネから育てたものです.う〜ん,何年目かな,,,たぶん3年は経っているでしょう.

写真:シクラメン・シプリウム(C.cyprium)
  

霧ヶ峰高原と八島湿原
諏訪や茅野の市街では連日30度を越えるような暑さが続いています.蓼科高原でも25度前後まで気温が上がり,これではまるで夏のままです.いったい秋はいずこへ??

そこで秋の気配を感じようと霧ヶ峰高原まで行ってみました.さすがにここではススキの穂が風にたなびき,秋の草花も咲いており,初秋の気配を感じる事が出来ました.炎天下では日射しが暑いですが,木陰に入ると風が涼しく心地よいです.

歩き慣れた散策路を進み,草花ウォッチングをしてきました.今回のお目当ては何と言ってもトリカブトです.あの紫色の花に出会えるかとワクワクしながら歩いていたのですが,当初あるはずと思っていた場所には見当たらず,全然違うところに咲いていて驚きました.それでも出会えてラッキー!まずは満足です.

トリカブトにも様々な種類があります.自然保護センターの方にお話を伺ったところ,ここに自生しているのはツクバトリカブトなんだそうです.これに関して昔から関係者の間でヤマトリカブトVSツクバトリカブトの論議があったそうですが,DNA鑑定の結果ツクバトリカブトと判明したんだとか.科学技術の進歩によりこのような事も分かるんだなぁ,と思ったのでした.

写真:ツクバトリカブト
 

他に咲いていたのは,ヤマホタルブクロ,エゾカワラナデシコ,ヤマラッキョウ,マツムシソウ,リンドウの仲間,ヤマハハコ,アザミの仲間やキク科の仲間などが咲いていました.ヤマホタルブクロは終わりかけでしたが,ヤマラッキョウは最盛期のようであちこちで見かけました.

写真:ヤマホタルブクロ,エゾカワラナデシコ,ヤマラッキョウ,
   

写真:リンドウの仲間,ヤマハハコ,アザミの仲間
  

また,花が終わって綿毛になっているものも多く見かけました.中でも真っ白な綿毛で美しかったのがヤナギランです.触ってみるとフワフワで優しい触り心地でした.

写真:点在するヤナギランの綿毛とそのアップ
 

八島湿原でもトリカブトを見かけました.霧ヶ峰高原の散策路には所々に植物名の名札があり,おかげで助かっています.こちらにも名札が整備されており,植物名が分かりやすくなっています.そしてトリカブトの所には「ツクバトリカブト」としっかり書いてありました.

写真:八島湿原とツクバトリカブト
 
収穫の秋
お彼岸も過ぎたと言うのに,いつまでもダラダラと暑くてどうなっているの?と思っていたら,やっと朝晩は涼しく(寒く?)なってきました.やはり「暑さ寒さも彼岸まで」なのでしょうか.つい先日までエアコンを付けていたのに今度はストーブが欲しくなるほど….蓼科の温度変化は過酷です.(~_~;)

9月下旬に入り,店頭に紅玉が並んでいるのを発見しすかさず衝動買いし,りんごジャムを作りました.これはいつもよりちょっと早い気がします.また,ここ数日は散歩しながら栗を拾っています.店で売っているのとは違って小さな栗ですが,味が良いのです.小さいので皮むきは大変な作業ですが,落ちているのを見つけたら拾わずにはいられない!少し集まったところで買い足したスーパーの栗と合わせてゆでました.

庭掃除のついでにのたうち回っているアピオスの茎を整理しようと思い,堀上げてみました.この作業はイモヅル式にアーモンド大のイモが出てくるので楽しいです.ちゃんと栽培している訳ではなく,昨年掘り残したイモから勝手に出てきただけに量は少ないけれどとりあえず収穫できたのでラッキーです.また,散歩の帰りにジコボウが出ているのを発見.雨の翌日だったら良かったのですが,見つけたのは晴天の翌日だったためか,笠のぬめりが足りません.乾燥肌のジコボウか?という感じでしたが(^^;これも収穫しました.という訳で少し早めの「収穫の秋」を楽しんでいます.

来月は気温も下がり,キノコ類がもっと出てくる事でしょう.

写真:紅玉1袋580円,クリ,ジコボウ
  

写真:ジコボウ

八ヶ岳薬用植物園
滞在中に一度は行かないと何だか落ち着かない場所,それは八ヶ岳薬用植物園.秋を探しに出かけてみました.

アケビのパーゴラやトンネルには実がたくさん成っており,はじけているのもありました.

写真:アケビ
  

また,園内のあちこちで赤い実が成っています.

写真:クコ
 

写真:アキグミ
 

写真:サンザシ
 

写真:ナナカマド
 

ムラサキシキブの大株があり,実がだんだん紫色に色づき始めていました.

写真:ムラサキシキブ
 

草むらでワレモコウが自生していました.草丈が高いので倒れているのもありました.

写真:ワレモコウ
  

一番花盛りだったのがシオンです.見事に咲き誇っていました.

写真:シオン
  

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